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2017年6月30日金曜日

ハルビン・長春2017 一日目(ハルビンへ)

6月1日。

中国東北三省のうち、いずれも短い滞在ながら、遼寧省(大連、丹東)と吉林省(延吉)は訪れたことがある。しかし黒竜江省にはまだ足を踏み入れていなかった。

黒竜江省の省都ハルビンへの5泊6日の短い旅を急遽思い立ったのはこうした事情からだ。もちろん6日間をハルビンだけで過ごすつもりはない。黒竜江省のどこか別の場所にも行ってみたい。黒竜江省第2の都会チチハルならハルビンに近く、列車やバスで2時間程度で行ける。ロシアとの国境に近い黒河や綏芬河となるともっと遠いが、ハルビンからせいぜい7、8時間だ。

ところが、ちょうどこのころ、船戸与一の歴史小説「満州国演義」を読み始めていた。満州国はほぼ現在の東北三省に重なる。満州国の首都は新京、現在の長春だ。調べてみると、ハルビンから長春までは高速鉄道で1時間たらず。長春は黒竜江省ではなく、吉林省に位置するが、黒竜江省にこだわることもないだろう。満州国の痕跡が今も残る長春にも行ってみよう。

ハルビンと長春を訪れるなら、ハルビンin長春out(あるいは長春inハルビンout)の航空券を購入するのが効率的なのだが、長春行きを決めたのは、すでに関空ーハルビンの往復航空券を購入してからだった。中国南方航空の直行便で51450円(燃料サーチャージその他すべてを含む)。中国国際航空などの乗り継ぎ便を使えば3万円台で行けるのだが、少々高くても乗り替えなしの便利さを選んだ。

ハルビン空港に降り立ったのは6月1日の午後3時ごろ。降り立ったのはいいが、市内まで出るタクシーにぼられてしまった。空港の到着ロビーにたむろしている運転手の誘いについつい乗ってしまったのが原因だ。「メーターを使う」という言葉に安心してしまった。確かにメーターは使ったが、メーターに何かの仕掛けがあったのか、途中で操作したのか、40分余り乗って市内に着いたときに表示された金額は298元。空港から市内までのタクシー料金は150元程度というのは事前に調べていた(実際、帰路の空港までの料金は150元だった)。降車時に運転手と口論になった。口論といっても向こうは中国語で、こちらは英語だが、喧嘩やその反対の愛のささやきには意味のある言語は必要ない。結局、200元で落ち着いた。50元(750円ほど)ぼられたことになる。たいした金額ではないが、よく心得ているはずの「向こうから誘いかけてくる手合いは相手にしない」という原則を貫かなかった自分のふがいなさに腹が立つ。不快な気持ちは長く尾を引き、ハルビンの第一印象を悪くした。

中国のタクシー運転手の名誉のために付け加えておけば、ちゃんとしたタクシー乗り場や街を流しているタクシーでぼられた経験は皆無だ。今回もその後3回タクシーを利用したが、いずれも相場通りの料金だった。

市内に出て向かった先は麦田国際青年旅舎。5年前新疆ウイグルへ旅したとき、ウルムチで同じ名前のゲストハウスに宿泊したことがある。予約はしていなかったが、ドーミトリー、シングルともに空きはあった。ドーミトリーのほうが他の旅行者と知り合う機会があり、楽しいのだが、さすがにこの歳になると個室の快適さを優先する。トイレ・シャワー、テレビ付きのシングルは130元(約2000円)だった。

麦田国際青年旅舎

「国際」という名を冠しているにもかかわらず、ハルビンの麦田国際旅舎では英語はほとんど通じなかった。外国人の宿泊客も私以外には見あたらない。これはウルムチの同名のゲストハウスとの大きな違いだ。ウルムチでは英語はほぼ問題なく通じ、外国人の客も少なくなかった。ウルムチの経験から英語が通じることを期待して麦田を選んだのだが、あてはずれ。ただし、スタッフは親切だった。スマートフォンに翻訳させた英語で「何かあったときにはいつでも助けを求めてくれ」と伝えてくれた。

部屋でしばらく体を休めてから街に出た。ガイドブックでだいたいの見当をつけてハルビンのメインストリートである中央大街を目指す。ゲストハウスから中央大街まではせいぜい3、4Kmくらいと見込んでいたのだが、なかなかたどり着かない。暗くなってきたので、観光は明日以降にし、引き返す。途中、宿の近くの食堂で夕食をとった。野菜の炒め物の単品とコーラ。ご飯は付いていなかった(もちろん別途に注文できるが、それほど空腹ではなかった)。コーラと併せて確か24元だった。おいしくない。なんとかすべて食べきった。到着後早々にぼられたうえ、最初の食事がまずい。さすがに落ち込むが、明日からはいいこともあるだろうと願うしかない。

ハルビン最初の食事 

部屋のテレビではDVD作品を見ることができた。ジブリのアニメや日本のドラマが数多く用意されている。すべて中国語の字幕付きで、吹き替えではない。「孤独のグルメ」なるドラマを選択し、寝転んで見る。大阪のお好み焼きや串揚げをテーマとしたエピソードだった。わざわざハルビンまで来てこんなものをと思いながらも最後まで見てしまった。明日は長春に向かうか。