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2017年9月25日月曜日

Édouard Louis: En finir avec Eddy Bellegueule

2017年4月7月読了
著者:Édouard Louis
評価:★★★★★
刊行:2014年

Eddy Bellegueuleという本名に別れを告げたÉdouard Louisが若干21歳で発表した自伝的要素の色濃い作品。フランスでベストセラーとなり、英語や日本語などにも翻訳されている(邦題は「エディに別れを告げて」)

"De mon enfance je n'ai aucun souvenir heureux."(子供時代の幸せな思い出は何一つない)という衝撃的な文章から始まり、子供時代(主にcollege、つまり中学時代)の辛い体験がつづられていく。辛さの原因はいじめと貧困だ。

北フランスの荒廃した工業地帯。貧しい労働者の家に育ったEddy。暴力や荒っぽさが肯定され、「dur」(タフ)であることが最上の価値となる環境で、Eddyは幼いころから際だって女性的だった。仕草や言葉遣いも女性的なら、精神のあり方もそうだ。このため、中学校でひどいいじめに遭い、家庭でも疎外される。

そのEddyが「逃げる」ことを選択し、地元の学校とはひと味違うリセ(高校)に進学して、本来の自分を見いだそうとするところで物語りは終わる。

現在のフランス社会の一断面が生き生きと描かれ、幼い主人公のつらさが伝わってくる。日本ならEddyももう少し楽に生きられたのではと、ふと思った。日本の男の子にはこの本に描かれたほど「男らしさ」が求められないからだ。女性的な男、なよなよした男が一定の存在価値を持っているのが日本だ。もっとも日本にはフランスにはない「集団からのいじめ」があるから、どちらが生きやすいかはそれほど簡単ではない。

Édouard Louisは2016年にHistoire de la violence(暴力の歴史)というタイトルの第2作を発表している。これも是非読んでみたい。

追記:London Review Bookshopが主催したÉdouard LouisのロングインタビューがYoutubeにアップロードされている。英語による1時間を超えるインタービューで、聞き手はマレーシア出身の作家Tash Aw。Louisが描いた暴力や貧困、偏見のauthentity(信憑性)がフランスでも話題になったこと、フランスやフランス人のイメージからはLouisの両親が属する労働者階級が排除されていることなど、興味深い内容が語られる。

Edouard Louis talks to Tash Aw about 'The End of Eddy'
https://www.youtube.com/watch?v=4X3HJnueE5E&t=1064s

 

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