6月5日。
ハルビン最終日。今日の宿はbooking.comを通じてすでに予約してある。中央大街にあるホリディインだ。1泊538元(約9000円)と、私にしては(超)高値の宿だが、これを選んだのには理由がある。
明日のフライトは朝の8時だから、6時には空港に到着していたい。ハルビンの市街から空港までは40分以上かかるので、5時ごろにチェックアウトしてタクシーを拾う必要がある。タクシーは予約しておいたほうがいいだろう。こうした事情をホテルのフロントに伝えるには、英語でのコミュニケーションが望ましい。ホリディインなら英語が通じるはずだ。
このような思考は私の過度に慎重な性格を表している。まず早朝のチェックアウトくらいは英語を使わなくても伝えることができる(何年前に貴陽の宿で経験済み)。第二に中国では早朝5時ごろでも簡単にタクシーを捕まえることができる(貴陽と成都で経験済み)。このへんのことは十分にわかっていたが、もしかしたらという不安からホリディインを選んでしまった。だが後悔はしていない。安宿ばかりではなく、たまにはこうした(高級とまでは言えないまでも)普通のホテルを経験するのも悪くない。
ケンタッキーフライドチキンの朝食メニューで朝食を済ませてから、11時前にホリディインにチェックインする。予想どおり英語が通じる。明朝5時にチェックアウトすることを伝え、タクシーを予約しておいた。
部屋で体を休めながら、今日のプランを練る。昨日行けなかった安重根記念館に加え、できれば郊外にある731部隊の遺址にも行ってみたい。だが今日は月曜日だということに気がついた。博物館や記念館の類いは月曜日にはほとんどすべて休館になっている。安重根記念館も731部隊遺址も例外ではない。事前にちゃんと調べておかなかったミスだ。
ともあれ街に出て、観光を開始する。まずロシア正教の聖ソフィア大聖堂に向かう。中央大街から歩いて行ける距離だ。入場料は15元(60歳以上は7元)。ロシア正教の教会は13年前にサンクトペテルブルクを訪れたときにいくつも見ているので、特に印象深いものではなかった。堂内に展示されているハルビンの昔の写真には興味を引かれた。
遅めの昼食は中央大街のロシア料理店「露西亜」でとった。ここのボルシチが「絶品」との評判をネットで知ったからだ。ボルシチ、ビール、メインの鶏料理を注文した。肝心のボルシチはまずまずおいしかったが、「絶品」というほどではない。
腹もいっぱいになったところで、松花江に向かう。松花江はハルビンの中心を流れる川で、ロシア語でスンガリと呼ばれている。この川を渡った向こう側には太陽島公園があり、船やロープウエイで渡ることができる。
中央大街を徒歩で北に進み防洪記念塔に至ると松花江が見える。松花江に沿ってスターリン公園の中を歩き、ロープウエイの乗り場まで行く。往復100元のチケットを買ってロープウエイに乗った。ひとりでケーブルカー1台を占有し、10分ほどかけて太陽島公園に着く。
冬には氷雪祭りの会場となる太陽島公園だが、今の季節そう見るべきものとない(と思い込んでいた)。すぐに引き返すことにした(あとで考えると、もう少し探索すればよかった)。
帰りのケーブルカーの中ではハバロフスクから来たロシア人カップルと一緒だった。昔取った杵柄のロシア語で会話を試みる。なんとか会話が成立したのに満足。彼らはモスクワには行ったことがあるが、日本はまだだとのこと。モスクワより東京のほうがずっと近いにもかかわらず。
ケーブルカーを降りて、再びスターリン公園を通り抜けて、中央大街に戻る。公園の中では地元民(主として中高年)が歌やダンスを楽しんでいる。中国のちょっとした都会ならおなじみの光景だが、ロシア民謡の「カチューシャ」などがレパートリーに入っているのはハルビンらしい。
少し疲れたこともあり、ホテルに戻って体を休め、陽が暮れたころに街に出る。夜の中央大街は相変わらず人通りが多い。昨夜バイオリンを演奏していたモデルンホテルのベランダでは今夜はロシア人男性がアコーディオンを演奏している。
夕食は東方餃子でとった。これは中国全土に展開しているチェーン店だが、発祥地はここハルビンらしい。ハルビン最後の夕食をチェーン店でというのも何だかなあ、と思ったものだが、この店はおいしかった。餃子とビールそれに白菜の煮物を付けて30元(450円ほど)。餃子もよかったが、白菜の煮物が絶妙だった。今回の旅行ではじめて満足のいく食事に巡り会った。
6月6日。
早朝5時にチェックアウト。予約してあったタクシーはすでに待っていた。早朝で混んでいないこともあり、空港までは40分もかからなかった。料金は150元(プラス高速料金の30元)。出国検査では女性の係官が私のパスポートをたんねんに見ていた。アフガニスタンなどのビザに関心があるらしい。わざわざ別の女性係官を呼び寄せて見せたりもしていた。
ハルビン・長春の旅はこのようにして終わった。初日のタクシーのぼったり(というほどの金額ではなかったが)で暗い気分になった旅だったが、長春での偽満皇宮博物院見学やハルビンでの親切な青年との出会いがこれを十分に相殺してくれた。いずれにしても東北三省のすべてに足を踏み入れたことに満足。
ハルビン最終日。今日の宿はbooking.comを通じてすでに予約してある。中央大街にあるホリディインだ。1泊538元(約9000円)と、私にしては(超)高値の宿だが、これを選んだのには理由がある。
明日のフライトは朝の8時だから、6時には空港に到着していたい。ハルビンの市街から空港までは40分以上かかるので、5時ごろにチェックアウトしてタクシーを拾う必要がある。タクシーは予約しておいたほうがいいだろう。こうした事情をホテルのフロントに伝えるには、英語でのコミュニケーションが望ましい。ホリディインなら英語が通じるはずだ。
このような思考は私の過度に慎重な性格を表している。まず早朝のチェックアウトくらいは英語を使わなくても伝えることができる(何年前に貴陽の宿で経験済み)。第二に中国では早朝5時ごろでも簡単にタクシーを捕まえることができる(貴陽と成都で経験済み)。このへんのことは十分にわかっていたが、もしかしたらという不安からホリディインを選んでしまった。だが後悔はしていない。安宿ばかりではなく、たまにはこうした(高級とまでは言えないまでも)普通のホテルを経験するのも悪くない。
ケンタッキーフライドチキンの朝食メニューで朝食を済ませてから、11時前にホリディインにチェックインする。予想どおり英語が通じる。明朝5時にチェックアウトすることを伝え、タクシーを予約しておいた。
ハルビンのホリディイン
部屋で体を休めながら、今日のプランを練る。昨日行けなかった安重根記念館に加え、できれば郊外にある731部隊の遺址にも行ってみたい。だが今日は月曜日だということに気がついた。博物館や記念館の類いは月曜日にはほとんどすべて休館になっている。安重根記念館も731部隊遺址も例外ではない。事前にちゃんと調べておかなかったミスだ。
ともあれ街に出て、観光を開始する。まずロシア正教の聖ソフィア大聖堂に向かう。中央大街から歩いて行ける距離だ。入場料は15元(60歳以上は7元)。ロシア正教の教会は13年前にサンクトペテルブルクを訪れたときにいくつも見ているので、特に印象深いものではなかった。堂内に展示されているハルビンの昔の写真には興味を引かれた。
聖ソフィア大聖堂
昔のハルビン
遅めの昼食は中央大街のロシア料理店「露西亜」でとった。ここのボルシチが「絶品」との評判をネットで知ったからだ。ボルシチ、ビール、メインの鶏料理を注文した。肝心のボルシチはまずまずおいしかったが、「絶品」というほどではない。
腹もいっぱいになったところで、松花江に向かう。松花江はハルビンの中心を流れる川で、ロシア語でスンガリと呼ばれている。この川を渡った向こう側には太陽島公園があり、船やロープウエイで渡ることができる。
中央大街を徒歩で北に進み防洪記念塔に至ると松花江が見える。松花江に沿ってスターリン公園の中を歩き、ロープウエイの乗り場まで行く。往復100元のチケットを買ってロープウエイに乗った。ひとりでケーブルカー1台を占有し、10分ほどかけて太陽島公園に着く。
ロープウエイ
冬には氷雪祭りの会場となる太陽島公園だが、今の季節そう見るべきものとない(と思い込んでいた)。すぐに引き返すことにした(あとで考えると、もう少し探索すればよかった)。
帰りのケーブルカーの中ではハバロフスクから来たロシア人カップルと一緒だった。昔取った杵柄のロシア語で会話を試みる。なんとか会話が成立したのに満足。彼らはモスクワには行ったことがあるが、日本はまだだとのこと。モスクワより東京のほうがずっと近いにもかかわらず。
ケーブルカーを降りて、再びスターリン公園を通り抜けて、中央大街に戻る。公園の中では地元民(主として中高年)が歌やダンスを楽しんでいる。中国のちょっとした都会ならおなじみの光景だが、ロシア民謡の「カチューシャ」などがレパートリーに入っているのはハルビンらしい。
カチューシャを歌う
少し疲れたこともあり、ホテルに戻って体を休め、陽が暮れたころに街に出る。夜の中央大街は相変わらず人通りが多い。昨夜バイオリンを演奏していたモデルンホテルのベランダでは今夜はロシア人男性がアコーディオンを演奏している。
夜の中央大街
夕食は東方餃子でとった。これは中国全土に展開しているチェーン店だが、発祥地はここハルビンらしい。ハルビン最後の夕食をチェーン店でというのも何だかなあ、と思ったものだが、この店はおいしかった。餃子とビールそれに白菜の煮物を付けて30元(450円ほど)。餃子もよかったが、白菜の煮物が絶妙だった。今回の旅行ではじめて満足のいく食事に巡り会った。
東方餃子で夕食
6月6日。
早朝5時にチェックアウト。予約してあったタクシーはすでに待っていた。早朝で混んでいないこともあり、空港までは40分もかからなかった。料金は150元(プラス高速料金の30元)。出国検査では女性の係官が私のパスポートをたんねんに見ていた。アフガニスタンなどのビザに関心があるらしい。わざわざ別の女性係官を呼び寄せて見せたりもしていた。
ハルビン・長春の旅はこのようにして終わった。初日のタクシーのぼったり(というほどの金額ではなかったが)で暗い気分になった旅だったが、長春での偽満皇宮博物院見学やハルビンでの親切な青年との出会いがこれを十分に相殺してくれた。いずれにしても東北三省のすべてに足を踏み入れたことに満足。
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