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2025年3月23日日曜日

南半球一周ピースボートの旅(完結編)

 まとめ

96日間に渡る南半球一周のクルーズは3月16日の神戸港への帰港をもって終了した。ナミビアでの転倒と怪我、眼鏡の損傷、あるいは前歯一本の抜け落ちなど、いくつかのアクシデントにも見舞われたが、いずれも旅の続行を妨げるほどのものではなく、無事に神戸まで帰ってくることができた。

さて振り返ってみて、私にとってはじめてのクルーズ旅はどのような体験だったのだろうか。プラスのポイントとマイナスのポイントをいくつかランダムに挙げてみよう。

プラスのポイント

(1)交流。世界一周クルーズは同時に日本を巡る旅でもあった。というのも日々の大半を洋上で過ごすクルーズでは他の乗船客との交流が大きな比重を占める。食事の席などで日本の各地から集まった乗客と話し、それぞれの土地の事情を聞くのは船上生活の大きな楽しみだった。与論島や沖縄の話は特に勉強になった。乗客は日本人だけではない。香港、中国大陸、シンガポール、マレーシア、韓国の人もいれば、少数ではあるが非アジア圏からの乗客もいる。もっぱら英語でコミュニケーションをとることもあり、私が話した相手はシンガポールや香港からの乗客が多かった。香港の人たちが現状に対して抱いている不満と不安が強く印象に残っている。

(2)部屋。私が選択した内側(窓なし)の一人部屋は、日本のビジネスホテル並のクオリティだった。部屋は毎日清掃された。96日の航行中、水回りなどのトラブルは皆無。天井の電灯が切れたことは2回あったが、いずれもすみやかに交換された。心配していた隣室からの騒音も気になるほどではなかった。

一人部屋

(3)食事。何回も乗船している乗客(「リピーター」と称されている)によれば食事の質は以前よりも格段によくなっているとのことだ。船内には2つのレストランに加え、ビュッフェ式の食堂が1つ用意されている。レストランのうち1つは朝食と昼食に和食を、もう1つは洋食を提供する(夕食はどちらも同じメニューの洋食のコース料理)。ビュッフェ式の食堂は朝の5時から夜の12時まで開いており、いつでも腹を満たすことができる。終盤になるとこうした料理にもいささか飽きてきた感があったものの、質量ともに十分で、文句を言う筋合いではない。

朝食(和食)

朝食(洋食)

(4)GETプログラム。GET(Global English Training)とは英語の教育プログラムだ。私はこの有料会員であり、合計18回の個人レッスンを受けることができた(1レッスン40分)。個人レッスン、しかも18回すべて同じ先生ということで、少なからぬ不安があった。先生との相性が悪かったら抜け道はないのだ。しかし私を担当したパキスタン系英国人のZuとは何の問題もなく楽しく会話することができた。30歳という若さながら彼はニーチェやラッセルの話題を抵抗なく受け入れてくれ、私も遠慮することなく心の赴くままにしゃべることができた。もちろんたった18回のレッスンで私の英語力に変化が生じるわけではない。だが久しぶりに英語をしゃべる機会を与えられたことは大きい。

GETの先生たち

マイナスのポイント

(1)若い人との交流。1850人の乗船客中、35歳以下の若い人は3~400人くらいだっただろうか。彼らと交流する機会はほとんどなかった。食事の際も、高齢者と若い人はそれぞれ別のテーブルに案内されるのが恒例で、混じり合うケースは5,6回しかなかった。異なる世代がどのような世界観を持ち、ピースボートをどのように体験しているかを知りたかった私としては残念きわまりない。

(2)寄港地の未消化。リオデジャネイロやブエノスアイレスといった大都会の訪問日がたった1日に限られていたのは残念。1日といっても実際の現地滞在時間は半日ほどだ。特にリオデジャネイロでは観光オプションを選択したため、ほとんどをバスの中で過ごし、リオを訪れたという感覚はほとんどなかった。自分の足で歩き、現地の人々と声を交わしてはじめて、その土地の空気にふれ、その土地を感じることができる。たった半日では短すぎる。できれば現地に1泊するくらいの余裕がほしかった。

(3)オプションの値段。寄港地ではいろいろなオプションが用意されていたが、いずれも高すぎた。しかもほとんどのオプションがすでに満杯であり、選択不可能になっていた。オーバーランド・ツアーは30~70万円くらいに設定されており、私の選択肢にはなかった。コロナ後は世界的にインフレで、円安ということあるから、オプションの値段が高くなるのもやむをえないかもしれないが、港からバスで街に出るだけで7000円もするのはどうだろうか。

まとめのまとめ

はじめての世界一周クルーズをずばり評価すると、ちょっと辛めだが100点満点中70点というところ。ぎりぎり「可」ともいえる。このクルーズを選択したことに悔いはないが、大満足というわけでもない。これには私自身のミスも関与している。特にスペアの眼鏡を用意していなかったことが大きい。適切なオプションを選択しなかったというミスもある。

ピースボートにはリピーターが多い。私の印象では、今回の乗船客のうち半数以上はリピーターだったように思う。さて、私自身、次回のピースボート乗船はあるだろうか。今のところ可能性は低いがゼロではない。これだけのお金を時間を使うなら、もっと別の可能性、選択肢があるように思える。その反面、今回のクルーズで学んだことを生かし、もう一回もっと賢く乗ってみたいという願望も否定しがたい。

船尾から見たピースボートの航行

以上、どっちつかずで煮え切らないが、「南半球一周ピースボートの旅」のブログの完結としたい。

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