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2025年8月4日月曜日

バルト3国+ヘルシンキ2025 十二日目(帰国、感想)

 7月13日

今日は帰国日。イスタンブール行きのターキッシュ・エアラインズ機がビリニュスを発つのは20時20分。まだゆっくりと観光できる。

8時過ぎに朝食をとり、11時半にチェックアウト。荷物をホテルに預け、旧市街まで歩く。目指すのは大聖堂の近くにあるゲディミナス塔。ここからビリニュスの街を眺めたい。

塔の裏側にある登り口を探すのに少し苦労する。徒歩でも登れるが、リフトも用意されている(往復で3ユーロ)。徒歩で登ることにした。

ゲディミナス塔

塔に登る

塔からは旧市街と新市街が一望できる。

旧市街の眺望


韓国人の若い女性2人組がいたので、韓国語で声をかける。彼女たちはノルウェー在住で、ノルウェー人女性ひとりと一緒だった。このときは最初から最後まで韓国語で話すことができた。「チャラシネヨ」(お上手ですね)というお世辞に気をよくする。

徒歩でふもとまで降りる。ちょうどリフトから降りてきた韓国人2人とまたばったり会う。私の韓国語の知識はもっぱら読書から得たものであること、韓江や甲京淑の小説を読んだことなどを話す。残念ながらこのときは英語になってしまった。同行のノルウェー人女性に3人の写真を撮ってもらう。

ノルウェー在住の韓国人2人と一緒に


さてビリニュスに3日間滞在したが、夕食をもっぱらスーパーの食材で済ましたこともあり、まだちゃんとしたリトアニア料理を口にしていない。これが最後の機会だ。時刻は3時に近い。

ということで、大聖堂近辺のレストランを見て回る。ネットで見かけたレストランも目に入ったが、客が混んでいたり、逆に閑散としすぎていたりで、あまりしっくりとこない。

レストランを探す

結局、当てずっぽうで7Fridayという店に飛び込んだ。このレストラン、表にはいろいろメニューを飾っていたが、用意できるリトアニア料理は1種類(ピンク色のスープ料理)だけという。他の店に移るのもめんどうなので、フィッシュ・アンド・チップスを注文する。リトアニア最後の料理が英国料理になってしまった。ただ、このフィッシュ・アンド・チップスはロンドンで食べたものよりおいしかったので、よしとしておこう。料金はビールと併せて17.8ユーロ。

フィッシュ・アンド・チップスとビール

4時過ぎにホテルに戻り、預けていた荷物を引き取って、Boltタクシーで空港に向かった(7.6ユーロ)。

イスタンブールへ向かうターキッシュ・エアラインズ便は50分ほど遅延したが、イスタンブールでの乗り継ぎは問題なく(セキュリティ・チェックがなかった)、翌日14日の19時に関空に到着した。


感想

さて、「まだ訪れていないから」という消極的な理由からの今回の旅行だったが、内容は期待をはるかに越えていた。人々とのふれあいがその大きな要因だ。エストニアでもラトビアでもリトアニアでも、そして予定外に訪れたヘルシンキでも、多くの人に助けられた。ヘルシンキのホテルで朝食の後かたづけをしていた女性の笑顔。こうしたちょっとしたことが心に残っている。

他の旅行者との接触も貴重だった。リガのフードコートで同席したユダヤ系米国人の一家。これは忘れられない体験となった。1941年の独軍侵攻のあと、リガですさまじいユダヤ人虐殺(ホロコースト)があったことを知ったのは帰国後のことだ。

エストニア3泊、ラトビア3泊、リトアニア3泊、そして予定外のヘルシンキ2泊。この決して短くはない滞在の中、地方や田舎に一度も足を踏み入れなかったのが悔やまれる。しかもタリン、リガ、ビリニュスのいずれでも行動範囲はほぼ旧市街に限られていた。加齢とともに行動力が劣化するのはやむをえないのかもしれないが。

天候には必ずしも恵まれなかった。雨の日が多かった。あとから知ったのだが、バルト3国で雨量が最大になるのは7、8月だ。もっとも雨の日が多かったといっても、ほとんどが小雨であり、観光の支障になるほどではなかった。夏を想定して出かけた今回の旅行だが、現地は思ったより寒かった。2、3日の例外を除き、長袖のシャツ1枚では少し寒く感じた。Holiday Innでは2日目に毛布を1枚追加してもらった。Holiday Innの朝食の席で顔なじみになったスペイン人のおばあさんが「(スペインでは)40度だ」と言っていたが、同じ欧州でも大きな違いだ。

旅立ち前には、「もう歳だからパッケージ・ツアーのほうがいいのではないか」とも思った。バルト3国なら、ほぼどの旅行会社からもパッケージ・ツアーが提供されている。実際、この旅行でも何組かの日本人の団体を見かけた。だが、結果的には個人旅行にしたのが正解だった。パッケージ・ツアーなら、Simカードで悩むこともないし(自分で道を探さなくてよいから、モバイル通信は必要ない)、もっと多くの観光スポットを訪れることもできただろう。リトアニアの杉原記念館にも行けたはずだ。スーパーの食材ではなく、地元のちゃんとした料理を口にすることもできただろう。しかし「人々とのふれあい」という、私にとってもっとも大切な体験は団体旅行ではむずかしい。風景や名所旧跡、料理などより、そこに生きている人を知ることこそ、私の旅の目的であることをあらためて確認した。

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