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2019年2月28日木曜日

ミャンマー・シャン州 五日目(少数民族の村を巡る2)

2月9日。

トレッキング・ツアー2日目。ガイドのJosephは昨日と同様9時ちょうどにホテルにやって来た。

今日はJesephの出身地であるアク(Akhu)族の村、シャン族の村、Kabaeyeパゴダを訪れ、さらに昨日とは別のエン(Enn)族の村に立ち寄り、時間が余ったらチャイントォンのダウンタウンを見学するという予定だ。

Josephは自分の村をアキ(Akhi)族と説明していたが、ネットで調べてもAkhiは出てこない。ネットに出ているのはAkhu族で、ほぼ間違いなくJosephのAkhiはAkhuを指すものと思われる。また、シャン(Shan)族とは実際にはシャン州の多数民族であるクン(Khun)族を指す。

昨日と同様、中央市場ででランチ用の黒い餅米のおにぎり(今回は1個だけ)、ソーセージ、チキンを購入する。さらに子供たちに配るスナック菓子(昨日は飴だった)も入手する。

スクーターで走ること1時間近く、アク族の村に到着する。ガイドのJosephが生まれ、育った村だ。彼は現在はチャイントゥン市内にガールフレンドと一緒に住んでいる(ガールフレンドはアク族ではなくアカ族だという)。

村の入口に教会がある。プロテスタントのバプテスト(Baptist)教会だ。

女性たち(その多くが老婆)と子供たちが集まってくる。男性たちは農作業で外に出ているのだろう。老婆のひとりはアク族の特徴であるキセルを口にくわえている。Josephの母親と祖母も交じっている。

アク族の老女たち

アク族の家屋

Josephはスナック菓子を子供たちに配る。1人1個が原則だが、7、8歳のある男の子には3つ、4つと与えていた。家庭が非常に貧しく、腹一杯食べることのできない子だとのこと。父親は麻薬中毒で働いておらず、母親も頭(brain)がおかしいという。「頭がおかしい」が精神障害を意味するのか知的障害を意味するのかはわからない。

Josephの生家の庭に腰掛け、煎った落花生を食べながら話す。ガイドの仕事のことやミャンマーの政治情勢、彼の別のビジネスのことなど。

Josephはミャンマー西部のイスラム系(ベンガル系)住民であるロヒンギャの問題がミャンマーの観光業に影を落としていると言う。この問題が浮上し、アウンサンスーチーが国際社会から批判されるようになって以来ミャンマーを訪れる外国人観光客が減ってきているとのことだ。外国人観光客の減少がどれだけ統計的に裏付けられているかはわからない。軍事政権時代には政治的な理由からミャンマー訪問を控える観光客がかなりいたようだが(アウンサンスーチー自身が「ミャンマーに来ないように」と呼びかけていた)、ロヒンギャの影響が(ゼロではないにしろ)どれほど大きいものなのか、確かでない。

Josephはチャイントゥン市内でプリント・サービスのショップを開いている。コーヒーカップやTシャツ、グリーティング・カードなどにプリントする商売だ。こちらが本業で、ガイドはいわば副業らしい。チャイントゥンを訪れる旅行者の数は限られており、ガイドだけでは生計が立てられないということでもあろう。

Josephの家でだいぶ長居をしたあと、シャン族の村へ向かう。シャン族とはすなわちクン族のことだ。高床式の家には複数の開き戸式の窓がある。Josephはこれを「ロマンチック・ウィンドウ」と説明した。親に許されぬ若い2人がこの窓を通じて愛をささやいたという。

ロマンチック・ウィンドウ

階段を上がり、ある家にお邪魔する。女性と男性がそれぞれ3、4人ずつ丸くなって座り、談笑している。男性陣は酒を飲んでいる。酒を誘われたが、遠慮しておいた。

床は竹でできている。床が抜けて数メートル下の地面に落ちやしないかと心配しながら、家の中を探索させてもらった。

シャン族の家の中

シャン族の村をあとにし、川で行われている網を使った漁などを見物しながら、パゴダに到着した。アカ族やアク族などの山岳民族はキリスト教だが、シャン州の多数派であるシャン(クン)族は仏教徒だ。これもシャン族のパゴダなのだろう。

パゴダの中

時刻は12時半ごろ。このパゴダの一角で昼食をとる。中央市場で調達した黒い餅米のおにぎりにソーセージとチキン。黒い餅米のおいしさは昨日と同じ。2匹の猫が食料を狙ってしつこくまとわりつく。

パゴダをひととおり見学したあと、再びスクーターを走らせて、エン族の村へ行く。昨日を訪れたエン族の村とは別の村だ。

昨日と同様、ここでもシャーマンの家を訪れた。昨日のシャーマンは手作りのギターを弾き英語の単語もいくつか知っていたが、ここのシャーマンはかなりの高齢で体の動きも年相応だ。

エン族の村

シャーマン

シャーマンとその妻は2人ともお歯黒をしていた。お歯黒用の葉っぱと植物の実を私に見せ、噛んでみないかと勧めるが、お断りした。1度噛んだくらいで歯が黒くなるわけではないだろうが、あまり食指をそそりそうな代物ではなかった。

このあと少年たちが仏教を学んでいる僧院(monastery)を見学し、チャイントゥンへの帰路についた。

僧院

ツアー2日目の最後は「時間が余ったらダウンタウンの見物」ということだったが、代わりにJosephのプリント・ショップを訪れることにした。ダウンタウンの探訪には明日と明後日たっぷり時間がある。

間口3~4mくらいの小さなショップには若い女性が2人いた。ひとりはJosephのガールフレンドで、もうひとりは従業員だろう。2人とも私たちの訪問を予期していなかったらしく、びっくりしていた。

Josephとそのガールフレンド(左端)

となりのカフェからコーヒーをとり、しばらく話す。このショップは昨年の10月にオープンしたらしい。プリントのノウハウはインターネットで独学したという。立派なコピー機やプリント用のマシンが用意されている。ショップの賃貸料も払わなければならない。チャイントォンにはこの種のサービスを提供するショップはほかにはないとのことだが、Josephのこのビジネスが今後軌道に乗ることを祈るばかりだ。

ちょうど4時にGolden World Hotelに戻ってきた。Josephに2日分のガイド料80ドルを支払う。チップとして10000チャット(800円ほど)を上乗せした(少なかったかな)。

2日目のツアーは1日目に比べて内容が希薄だった。多くの時間がガイドとの会話に費やされた。これはこれで興味がなかったわけではないが、アカ族、アク族、エン族、シャン(クン)族にほかにももっと多くの少数民族の生活を見たかった。エン族はワ族に近いという。ワ族の村も訪れたかったが、チャイントォンからは遠すぎるのかもしれない。1日目が90点、2日目が70点、2日通じて80点と評価しておこう。まずは合格点だ。

Golden World Hotelの受付で、「明日チェックアウトし、別のホテルに移動する」と伝える。「Golden World Hotelに不満があるわけではない。あなたがたのサービスには十分に満足している。ただ5泊同じホテルでは飽きるので、変化がほしい」と付け加えた。これはリップサービスではない。受付の3人の女性(ビルマ人もいればクン族もいる)は私と顔を合わせるたびはじけるような笑顔で迎えてくれた。昼間に停電になることがあったが、これはこのホテルだけでなく、チャイントォンの他のホテルも同じだろう。

少し休んでから、再び外へ出かけようとしたとき、受付の女性の1人(クン族だが、中国の血も混じっている)が私に「question」があるという。日本のことでも尋ねられるのかと思ったが、questionというようよりsuggestionであり、ホテル代を20%引きにするからあとの2泊もここで泊まらないかという誘いであった。

私が明日移動する予定のLaw Yee Chaing Hotelは1泊25ドルだ。30ドルの20%引きなら24ドル。わざわざ移動する必要はない。誘いに乗ることにした。

夕食は昨日と同じ場所の屋台の1つでとった。注文したのは麺(1000チャット)。おいしいのだが、私にとっては辛すぎた。肉まんを1つ買ってホテルへ戻る(500チャット)。この肉まんが口内に残っている辛さをほどよく緩和してくれた。

夕食の麺

さてLaw Yee Chaing Hotelに明日からの宿泊のキャンセルを伝えるかどうか。予約したとはいえ、ただの口約束で、私の名前さえ伝えていない。このまま放っておいても問題ないだろうが、このままではモヤモヤしたものが残る。再びホテルを抜け出し、夜道を10分近く歩いてLaw Yee Chaing Hotelに行き、明日からの宿泊を取りやめることを知らせておいた。これですっきりと眠れる。

 

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