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2019年11月10日日曜日

スペイン・ポルトガル2019 リスボン、エヴォラ、エルヴァス

10月9~11日(リスボン)。

バルセロナから一挙にリスボンまで飛んだのは、航空運賃が940円と安かったからだ。ただし、この安さは見かけで、燃費サーチャージ、税金、手数料などを加算すると、9000円強になった。

10時25分発のTAPポルトガル航空機は11時20分にリスボン空港に到着した。1時間にも満たないフライト時間...ではない。スペインとポルトガルの間には1時間の時差があり、実際のフライト時間は2時間ほど。機内では簡単なサンドイッチも提供された。

まず空港にあるVodafoneのショップでSimカードを入手した。通話機能なしのデータ通信のみのカード。30日間有効で通信量は5GB、値段は40ユーロ。5GBは多すぎた。節約しながら使ったこともあるが、2週間後の帰国日の時点で消費したのは1GBにも満たなかった。

次にインフォメーションでリスボンの地図を入手し、72時間有効のリスボン・カードを購入した。地下鉄、市電、バス、ケーブルカー、エレベーター(!)などが乗り放題になるカードで40ユーロ。私の観光は「歩く」が基本だから、3日間の滞在で40ユーロを回収するほどに利用したかどうかは疑問だが、いちいち料金を支払う手間を省けたからよしとしておこう。

リスボンには3泊する予定で、Lisbon Styleというゲストハウスを予約していた。3泊で170ユーロ。シャワー・トイレ・テレビ付きだが、バルセロナの宿と同様、非常に狭かった。

リスボンは坂が多い。その坂を路面電車やケーブルカーが往き来する。旅心をそそる風景だが、細い道が網の目のように入り組んでいる中を効率よく回るのは容易でない。地下鉄ロシオ駅から海辺のコルメシロオ広場に抜けるいくつかの通りや海岸沿いの道路はわかりやすいが、そこから少しはずれると、どこを歩いているのか判然としなくなる。もっとも、グーグル・マップに頼っても道に迷ってしまう私の方向感覚のなさのほうが問題かもしれないが。

リスボン

リスボンの裏通り

10月9日から11日にかけ、サン・ジュルジェ城、カテドラル、サンタ・ジュスタ展望台、リベイラ市場などをめざし、リスボンの中心部を歩く。バルセロナ同様、どこも観光客であふれている。中国人、韓国人、日本人が目につくのも同じ。

ロシオ駅とコルメシロオ広場をつなぐアウグスタ通りの観光客向けのレストランで、中国人らしきウエイトレスに声をかけられ昼食をとったときのこと。ウエイトレスに「中国から来たのか」と尋ねると、「インド」との返事。「よく中国人と間違われるが、インドのだダージリン出身だ」と言う。色が白く、インド人には見えない。ダージリンにはこうした我々に似た人々が住んでいるのだろうか。

サンタ・ジュスタ展望台に上がるエレベーターの前には長い行列ができていた。私のうしろには中年の東洋人男性。かぶっているキャップの横にnissanのロゴが見える。しかし日本人ではなく台湾人だった。生かじりの中国語を試してみる。「台湾には2度行ったことがある」と中国語で伝えたところ問題なく通じる。ちょっとうれしい。が、そのあと中国語で会話を続けられてさっぱり理解できなかったことであえなく馬脚を現した。男性は今度は日本語で「ひとりで旅行しているのですか」と聞いてくる。あきらかに彼の日本語のほうが私の中国語よりも上だった。

ポルトガルの音楽といえばファドだ。「ポルトガルの演歌」ともいわれるファドを聞かせる劇場やレストランはリスボンに数多くある。しかしそのほとんどが夜遅くの開演。早くても19時半から21時まで。夜の9時といえば私がもう就寝している時間。そんななか、ロシオ駅の近くに夕方5時から6時までファドのライブをやるレストランを見つけた。

このレストランでファドを鑑賞した。ドリンクとつまみ付きで19ユーロ。少し年期の入った男女の歌手が美声を聞かせてくれた。もともとファドは私の好きなジャンルの音楽ではないが、本場のポルトガルで生で体験できたのはありがたい。

ファドを聴く

リスボンのあとでどこを目指すかで少し迷った。これはスペインをメインにするかポルトガルをメインにするかの迷いだ。ポルトガルをメインにするなら北上してナザレ、コインブラを経由してポルトに至り、ポルトからマドリードに抜けるルートになる。

スペインに重点を置くなら、リスボンから東に進み、スペインを南下してアンダルシアを巡ってからマドリードに行くルートになる。

ポルトガルも捨てがたいが、今回の旅の動機のひとつはアンダルシアへの関心だった。リスボンの東、バスで1時間半のエヴォラで1泊し、さらにスペインとの国境に近いエルヴァスで1泊してスペインに入ることにした。

10月12日(エヴォラ)。

リスボンからバスで11時過ぎにエヴォラに着いた。宿は前日にBooking.comでゲストハウス予約していた。レビューの評価がよかったからだ。ところが、エヴォラ行きのバスの中でBooking.com経由で送られてきたゲストハウスのメッセージを見て驚いた。「チェックインは4時から。それまで荷物はツーリスト・オフィスにあずけておくことができる」とのこと。予約する時点でそういう注意書きがあったのかもしれないが、私は気付かなかった。

宿で体を休めてから街歩きしたいところだが、しかたがない。ツーリスト・オフィスにバックパックを預けてから街を一回り、昼食をとり、カフェで休み、ようやく4時になったのでチェックインした。これ以降、最後のマドリードでの3泊を除き、宿はそのつど現地に着いてから探すことにした。私のように行き当たりばったりの旅をしている場合、事前の予約は自由の制約にしかならない。宿を予約していなければいつでも予定を変更できる。

エヴォラは歴史のある町で、古くは日本の天正遣欧少年使節も訪れたことがあるらしい。バルセロナやリスボン同様、観光客が多い。正直なところ「教会や広場を中心とする旧市街」を多くの観光客に交じってぞろぞろと歩くのにはあきていた。ほんとうに見たいのはポルトガルの日常の生活であり、農村の風景だ。

エヴォラ

エヴォラの裏道

今後の行程を考える。ここからスペインに入るには、国境の町エルヴァスでバスを乗り換えればいい。かかる時間もせいぜい2、3時間だろう。ひょっとすればエヴォラから直接にスペインに行くバスが出ているかもしれない。しかしたった4泊でポルトガルを去るのも心残りだ。エルヴァスで1泊してからスペインを目指そう。

10月13日(エルヴァス)。

エヴォラからエルヴァスまではバスで1時間半ほど。昼過ぎにエルヴァスに着く。エルヴァスは城壁に囲まれた町だ。バスの停留所は城壁の外にある。停留所から城壁までは歩いて10分ほど。

まず宿を探す必要がある。「どこへ行きたいのか」と声をかけてくれた男性に「ホテル」と答える。男性が指さす方向に少し歩くとホテルが見つかった。相手はすべてスペイン語だが、単純なことなので十分にコミュニケーションは可能だ。

Hotel São João de Deus。トイレ・バス・テレビ・朝食付きで1泊50ユーロ。修道院を改修してつくられたいいホテルだった。バスタブがあり、朝食も充実していた。Booking.comでは同じ部屋が55ユーロとなっている。予約サイトを利用しないことのメリットのひとつが値段だ。

エルヴァスは観光客も少なく、落ち着いていた。惜しむらくは日曜日ということもあり、多くの店が閉まっていたこと。もう1泊してじっくりと探索すべきだったかもしれない。夕食はホテル近くの小さなスーバーで購入したパンと牛乳で済ませた。
明日は再度のスペイン入りだ。

エルヴァス

エルヴァスの裏道


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