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2023年10月2日月曜日

シンガポール短期英語留学記 その1

 東南アジアの国はほとんど行った。行っていないのは、東チモール、ブルネイ、それにシンガポールの3か国。シンガポール行きを思い立ったのは、こうした理由からだ。シンガポールを観光するだけなら、3、4日あれば十分だ。

と思っていたところ、EF Language Schoolなる語学学校の宣伝をネット上で見かけた。EFはスイスを拠点した国際的な語学学校で、シンガポールにも進出している。シンガポールへ行くなら、ついでに英語にふれるのもいいだろう。2週間の英語コースに申し込んだ。

コースは9月11日から9月22日まで。余裕をもたせ、授業開始より少し早めの9月6日にシンガポールに到着し、帰りも授業終了から3日後の9月25日とした。合計20日間、3週間近くのシンガポール滞在となる。

かくて往路は9月6日関空発シンガポール・チャンギ空港着、復路は9月25日シンガポール・チャンギ空港発26日早朝関空着のベトナム航空便のチケットを購入した。往路も復路もベトナムのホーチミンシティ経由。料金は一切合切すべて含めて70970円。LCCを使えば、もう少し安くなるが、時間などの関係から今回はなじみのベトナム航空にした。

以下、今回のシンガポール旅行兼短期英語留学の様子を時系列的にではなく、項目ごとにまとめてみた。

気候

シンガポールの気候は一年を通じてそれほど変わらず、常夏の毎日が続く。雨期は11月~2月とされている。9月にも雨は降るが、激しい雨ではなく、1時間もすれば止むことが多い。私の滞在中、しつこく雨が降り続いたのは1日だけだった。といっても、晴れた空が突然曇って雨になることもあるから、傘は常時必携だ。日中は蒸し暑い。日本の8月並か、それ以上だ。

ホテル事情

空前の円安ということもあり、ホテルは軒並み高い。ちょうどF1に重なったこともあり、バス・シャワー付きの個室は1泊2万円でも安いくらいだった。ドーミトリーでも6~9千円くらいしたようだ。語学学校に通学中の2週間は学校から斡旋されたホテル(チャンセラー・ホテル)に宿泊した。ツインベッドの広い部屋ではあったが、アメニティやサービスの質は日本のビジネス・ホテル以下だった。1泊13000円ほど。シンガポールでは安いほうだ。

観光

観光はあまりしていない。Youtubeなどを見ると、3泊4日くらいの旅行者でも私より多くの観光スポットを訪れている。怠惰な私は冷房のきいたホテルでだらだらと時間を過ごすことが多かった。外が蒸し暑く、2、3時間歩くとぐったりしてしまう(疲れやすいのは歳のせいかもしれない)。グーグル・マップを見ても道に迷ってしまうという絶望的なまでの方向音痴がこの出不精をさらに後押しした、

マーライオン公園、ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ、リトル・インディア(これは学校のアクティビティで訪れた)、アラブ・ストリート(サルタン・モスク)、セントーサ島などは何とか訪れたが、動物園、植物園、ショーアップされた夜景などは見ていない。

ガーデンズ・バイ・ザ・ベイ

キラキラと光り輝く観光スポットよりも、シンガポールの辺境、シンガポールの陰、つまりは「現実」を見てみたい。シンガポールには「スラム」と呼べるような一画はないが、これはシンガポールに貧困がないということではない。インドネシアやミャンマー、ベトナムなどからの移民労働者が一部屋に何人も詰め込まれ、劣悪な条件のもとで働いている様子はYoutubeなどで数多く報告されている。

シンガポールの東部にあるゲイランは、公認の売春宿が密集する地区であり、移民労働者が暮らす劣悪な住宅や安宿、不衛生な食堂など、シンガポールの中心部とはひと味違った光景が見られるという。

ある日の午後、このゲイランを訪れた。30、32など大きな番号を付与された置屋とおぼしき建物が並んでいる。入口に座っている男性からは日本語で「見るだけ、見るだけ」という声がかかる。

ただそれだけだった。街並みはシンガポールの他の地区と同様に整然としており、立ち寄った食堂も不衛生というわけではなかった。

別の日には「シンガポール本島に残された唯一の村」とされるKampong Lorong Buangkokに行ってみた。MRTとバスを乗り継いで1時間近くの道のりだ。確かにシンガポールの他の地域とはことなる一画がある。しかし村と呼ぶには小さく、せいぜい30戸の家が散在しているだけだ。周りを歩いてみたが、誰にも出会わなかった。

Kampong Lorong Buangkok

食事

到着した日の翌日、シンガポールではじめての昼食をクラーク・キーにあるホテル付近のレストランでとった。注文したのはポーク・カツと揚げパン(油条)。飲み物は頼んでいないのにこれだけで15シンガポール・ドル(1600円以上)。これにびっくりし、夕食はセブンイレブンで購入したカープヌードルで済ませた。カップヌードルですら300円ほどする。

シンガポールではじめて口にした食事


だが、翌日からはもっと安く食べる方法を見つけた。ホーカー(hawker)・センターと呼ばれるフードコートへ行けば1食4~6ドル(500円前後)程度で済ませることができる。ホーカー・センターはシンガポールの至るところにある。

チャイナ・タウンのホーカー・センター

チャイナ・タウンのホーカー・センターで食べた料理の写真を載せておこう。これらはいずれも10ドルほどだったが、チャーハンあるいはヌードルの単品にすれば5ドルですむ。

チャーハンと小籠包

ヌードルと揚げ餃子

シンガポール名物のチキン・ライスもホーカー・センターなら5~6ドルだ。マックウェル・ホーカー・センターにある天天海南鷄飯店のチキン・ライスはMサイズで確か6ドルだった。

天天海南鷄飯店のチキン・ライス

味はいずれもまずまず。絶品とまで言えない...というのは食に対する私の感じ方が劣化しているせいかもしれない。予想外においしかったのがカヤ・トースト。トーストにカヤといわれる甘いジャムとバター(あるいはピーナッツ)を塗った1品で、コーヒーや半熟ゆで卵とセットで提供される。

カヤ・トースト

寿司や弁当などの日本食もセブンイレブンやドンキのほか、スーパーで容易に手に入れることができる。ただ、シンガポールのパサパサした米は寿司には合わないように思う。(続く)

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