2月7日
船は午前7時ごろにプンタアレナスに接岸した。
今日はモンテビデオで一緒だったI氏と行動を共にすることを約束していた。
9時前に2人で船を降り、シャトルバスで町の中心部アルマス広場まで行く。
マゼランの銅像があるアルマス広場から展望台(Cerro de la Crus)まではすぐそこだ。展望台からはプンタアレナスを一望できる。
マゼラン像と一緒に
展望台からプンタアレナスを一望
展望台をあとにして、町を散策する。理髪店が見つかったので「現地での散髪」を実行することに。17ドルと、旅行先での散髪の代金としてはこれまでの最高の値段だが、船内でカットするのに比べれば格段に安い。
チリで髪を切る
行こうとした博物館が閉まっていたことなどもあり、プンタアレナスを歩きまわるにした。船上生活の余波か、地上を歩いているときにも足がふらつく。
1時過ぎにレストランに入る。見かけは小さなレストランだが、奥行きがあり、2階に上がることもでき、大勢の客でにぎわっていた。観光客は我々2人だけで、あとはすべて地元の客だ。
店員とのままならぬコミュニケーションに苦労しながらも、なんとかサーモンをメインディッシュとするコース料理とビールを注文する。
サーモンはおいしかったが、なにぶんにも量が多く、やっとの思いで最後まで食べきった。
サーモンで昼食
食後さらに歩いて町を探訪。5時前にシャトルバスで帰船した。
2万歩以上歩いてへとへとになりながらも、道行く人やレストランの店員の親切さに触れ、チリでの1日目を好印象で終えることができた。
2月8日
ツアーもあと1ヶ月を残すだけ。旅の後半に入った。夕食のレストランをこれまでの6階から5階に変更する。
2月9日
今日はめずらしく朝から雨模様。甲板でのウォーキングはとりやめ。
夜8時から「国際問題を英語で話す」というイベントがあり参加。GETプログラムのSaraが主催するイベントで、日本人3人、香港のカップル、台湾人1人が参加した。
2月10日
朝から雨模様で、揺れが激しい。早朝に5階に漏水があり、船のスタッフ全員で対処していた。各部屋のクリーニングは中止ということだったが、私の部屋は掃除されていた。
午後になって、雨は止み、日差しがさしてきたが、波はまだ高かった。
2月11日
晴れ。久しぶりに甲板を3周する(1.5km)。
昼食時、ハーフらしき風貌の若い女性と同席になる。「大学生か」と尋ねると、なんと中学生とのこと。米国(シアトル)生まれの米国育ち、パスポートも米国だが、日本のおばあさんと一緒に乗船しているという。
夕食は日本訪問歴16回、演歌大好きの45歳の台湾人と一緒だった。
2月12日
船は7時前にチリ第2の都市、バルパライソに着岸した。
バルパライソ着岸
今日は終日ひとりで行動するつもりだ。
9時半ごろに下船し、シャトルバスと電車を使ってソトマヨール広場まで出る。ここはバルパライソの中心部で、エレベーター(アサンソール)を使えば、街を一望する丘に登ることができる。
電車を降りてうろうろしていると、「ツーリストか」とスペイン語で尋ねてくる男性がいる。5~60歳代か。柔和で、人の良さそうな男性だ。
「アサンソールを探している」と言うと、「一緒に行こう」と案内してくれる。
あとでチップをねだられるのではないか、どこか怪しげな場所に連れて行かれるのではないかという疑念が頭をよぎるが、そのまま男性についていく。
杞憂だった。5分余りでアサンソールに到着し 笑顔で別れた。3台あるアサンソールのうちメインとなるアサンソール・コンセプシオンだ。
この丘は眺望がすばらしいだけではなく、家々にはさまざまな壁画が描かれ、全体がストリート・アートを形成している。
数多い観光客のなか、ピースボートとおぼしき人たちもかなり見かけた。
丘の上を歩く
VIDEO
丘から下りるときにはアサンソールを使わず、坂道をたどった。下へ下へと歩いているうち、気づけば平地にたどりついていたというほうが正確だろう。
時刻は1時近くなっている。レストランを探して中心街からちょっと離れた方向に足を踏み出すと、近くのレストランで呼び込みをしていた女性が私を追いかけてくる。
女性は両手でバツ印をつくり、「danger」という単語を口にする。この先は危険なエリアだという意味だろう。忠告したがって引き返した。
そして選んだのが、ちょっと大きめのレストラン。地元の客で賑わっている。
英語のメニューはなく、ウェイトレスはスペイン語の一点張り。なんとかビーフとビールを注文した。
予想した通り、ボリュームたっぷりの料理が出てきた。付け合わせのポテト・フライの量が半端ない。肉は硬かった。ナイフでカットするのが容易でない。こんなことなら、魚か鶏肉を注文しておけばよかった。料金は2400円ほど。
あとでグーグルマップで調べると、かなり評判のよいレストランで、きびきび働く店員たちも感じがよかった。ただ肝心の肉が硬かったことから、私の評価は60点といったところ。
このレストランで
この料理
食後、スーパーで乳飲料やお菓子を購入し、電車とシャトルバスを使って4時過ぎに帰船した。揺れる船での生活の余波か、陸地でも足がふらついた。さすがに疲れた。次の寄港地のイースター島まで5日間の洋上生活が続く。