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2015年9月17日木曜日

北朝鮮2014 八日目(8月25日)

今日は羅先最後の日、つまりは北朝鮮最後の日。朝食時に聞いたところによると、Scottは昨晩2人の女性従業員とホテルの施設でカラオケを楽しんだらしい。英語の初歩のレッスンもしたという。「将来の夢は何か」と尋ねたScottに対して、従業員の1人は「金正恩元帥につくすことです」と答え、もう1人も「同じです」と蚊の鳴くような声で答えていたとか。そんなことなら、私にも声をかけてくれればよかったのに。

琵琶ホテルのスタッフ

北朝鮮出国は午後遅くの予定なので、観光する時間はまだある。まず訪れたのはエンペラー・ホテル。これは香港資本が設立したホテルで、カジノも備えている。誰かが「いかにもキッチュ(Kitsch)な建物だなあ」と漏らしていてたが、確かに外観も内装もあまり品がない。ホテルの中はがらんとしており、宿泊客らしい姿は見あたらなかった。午前中という時間帯のせいだけではないだろう。ある中国人観光客がこのカジノで全財産をなくすほどすってしまったことから、中国政府がここへの出入りを禁止したという噂をどこかで読んだことがある。ガイドに確かめたわけではないので、この噂の真偽のほどはわからない。

エンペラー・ホテル

我々を乗せた車は先峰エリアと進み、途中で日本式家屋と朝鮮式家屋が建っている場所に立ち寄った。これも何かの史跡らしいが、ガイドの説明はまったく記憶に残っていない。このころから小雨が降り出した。この旅で雨に遭遇したのははじめてだ。いや、2004年の初訪朝以来、5回の北朝鮮旅行を通じてはじめての雨だ。こと天候に関する限り、私の北朝鮮旅行は恵まれている。

日本式家屋

先峰に入り、立派な建物の休憩所で昼食の弁当を食べる。弁当はキムパプ(海苔巻き)と鶏肉などのおかずだった。この休憩所も何かいわれのある建物だったのかもしれない。入ったところには李舜臣将軍の亀甲船の模型があった。この地からは、北朝鮮、中国、ロシアの3カ国を眺望できる。雨は止んでおり、雨上がりの霧の中に中国とロシアが浮かんでいる。

キムパプの弁当

さらに2時間ほどかけ、中朝の国境に着く。これは北朝鮮に入国したときの国境とは異なる。入国時には中国の図們から北朝鮮の南陽に抜けたが、ここは北朝鮮の元汀(ウォンジョン)と中国の琿春市をつなぐ国境だ。この国境は図們の国境よりはるかに忙しい。図們では我々以外の国境通過者を見かけなかった。それとは対照的に、ここ北朝鮮側の元汀税関の前には何台もの車が列をつくり、人もごった返していた。ほとんどが中国人の観光客や商売人だ。カオス状態の税関をくぐり抜けるのに小一時間はかかっただろうか。デジカメやタブレットはすべてチェックのために北朝鮮の係官に預けることになった。ブルガリア人のVesはこの混乱の中で電子機器やその他の持ち物が紛失するのではないかとおそれていた。私も私のタブレットやカメラのゆくえが気がかりだった。チェックや事務処理の手順がきちんとマニュアル化されていないことからくる混乱だろう。

中国の税関

そのときは気づかなかったが、帰国してから点検すると、いくつかの写真や動画が削除されていた。削除されたのは貧しそうな人やみすぼらしい家並みが映っている写真や動画だ。いくつかはファイル修復ソフトを使ってリカバーしたが、修復不可能なものもあった。

中国側の入国手続きは簡単だった。琿春から一路延吉に向かう。延吉では出発時の集合場所だった柳京飯店にチェックインした。この最後の1泊もツアー代金に含まれている。Scottだけは都合でその日のうちに延吉を発った。

柳京飯店のスタッフは北朝鮮から来ているが、清掃やベッドメイキングは地元の朝鮮族の女性たちが受け持っているようだった。フロントの女性は日本語をしゃべった。ところどころ間違いはあるが、十分にコミュニケーションが可能なレベルだ。英語は苦手なようだった。

柳京飯店

柳京飯店にはレストランもあり、夜には北朝鮮の歌や踊りを鑑賞できる。私はこのショーを見たかったのだが、同行者たちがホテル前の焼肉屋に行くというのでそれに従った。アサヒビールでのどをうるおし、焼き肉で腹を満たしながら、この旅の感想をそれぞれ語り合って夜は更けていく。

延吉の焼肉屋で

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