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2016年10月17日月曜日

ブルガリア・ルーマニア2016 二日目(ソフィア)

9月26日。

先に書いたように、今回の旅の目的のひとつはロマ(ジプシー)集落探訪だった。しかし事前にちゃんと調べることなく、つまり宿題をすませることなく、日本を発ってしまった。どこをどのようにして訪れたらよいか、まったくわからないまま現地に着いてしまったのだ。

残された手段は現地の人に尋ねることだけ。さっそく朝食時に宿のスタッフに「ソフィアの周辺でどこにロマのコミュニティがあり、どうやって行けばよいか」と聞いてみた。この変な質問にスタッフはちょっととまどったようだが、横にいる同僚とも相談し、「市の中心からほど近いKonstantin Velichkovという地下鉄駅を降り、山の方に向かって10分ほど歩けば、ごく小さなロマの集落がある」と教えてくれた。しかしこれだけでは心もとない。市の中心部の地下鉄セルディカ駅の近くにあるツーリスト・インフォメーション・センターでも尋ねることにした。

ツーリスト・インフォメーション・センターのスタッフはソフィアのはずれにある2カ所を教えてくれた。具体的な地名ではなく、地図上に円を描いて「ここらあたりだ」とのことだった。

そのうちのひとつに行くことにした。地下鉄ですぐにアクセスできるような便利な場所ではない。最寄りの地下鉄駅で降りてからバスを利用しなければならない。バスの路線番号も聞いていた。しかし、地下鉄を降りたはいいが、件の番号のバスがどこに停車するのかわからない。停車場がわかったとしても、正しい方向のバスに乗り、正しい場所で下車できるかどうか定かでない。ここはやはりタクシーのほうがいいだろう。そのタクシーがなかなかつかまらず、地下鉄を降りてから小一時間が経過してしまった。

やっと捕まえたタクシーに地図の円印を見せ、「ここに行ってくれ」と指示する。タクシーは5分余り走り、停車した。ここが円印の場所らしい。降りたところはごく普通の住宅が並んでいるごく普通のストリートだが、ロマの集落はすぐにわかった。タクシーが停車する直前、それらしい崩れた家並みを通過したからだ。一目で他とは異質だった。

ロマ(ジプシー)の家並み

その崩れた家並みのところまで徒歩で引き返す。子供が数人いたので写真を撮り、日本から持ってきた飴を与えようとするが、いらないという仕草で、受け取らない。

さらに奥の路地に入っていく。水たまりのできた道路にみすぼらしい家。貧しい光景が広がる。突然現れた異邦人である私にときおり声がかかる。人々の様子も興味深く、写真や動画に収めたかったが、あまりおおっぴらに撮影するのははばかられた。

水たまりのできた道

子供たちは別だ。遠慮なく撮影できる。もっとも、ほとんどの子が「撮ってくれ、撮ってくれ」と近づいてくるなか、カメラを向けると姿を隠す女の子もいた。子供たちは私に向かって「ジャッキー・チェン、ジャッキー・チェン」とはやし立てる。

ジャッキー・チェンとはやしたてる子供たち

ある男が「Speak English?」と話しかけてくる。「Yes」と答えると、「ここは問題だ」と言う。何が問題なのかと聞き返す私。「ここはジプシーのゲットーだ。ひどい家ばかりだろう」と男。彼自身もジプシーとのことだった。

この集落はそう大きくはない。多く見積もって50世帯くらいか。2012年に訪れたスコピエ近郊のSutkaとは比較にならない。

こっそりと数枚の写真を撮ってから、徒歩で地下鉄の駅まで引き返す。タクシーで5分余りの道だが、徒歩だと40分以上かかった。

地下鉄でそのまま中央バス・ステーションまで行く。明日ルーマニアとの国境に近いルセ(Ruse)に行く予定で、その切符を購入するためだ。翌朝10時過ぎに出発する切符を購入した。ついでにバス・ステーションに隣接している中央鉄道駅も見物した。

時計を見れば、すでに3時前。バス・ステーション2階のセルフ・サービスの食堂でかなり遅めの昼食をとる。

セルフ・サービスの昼食

続いて宿のスタッフが教えてくれた「ごく小さなロマのコミュニティ」を訪れることにした。ここなら市の中心から近いのですぐに行ける。

Velichkov駅で下車し、山が見える方向にしばらく歩くと数軒のみすぼらし家が見えてきた。コミュニティというほどの広がりはない。せいぜい10軒くらいの家並みだった。雰囲気はいかにもロマらしく、馬車も見かけた。

馬車

市の中心に戻り、写真や動画を撮っているうち、すぐに暗くなりはじめた。7時の夕食に間に合うように宿に戻る。夕食時には日本人の大学生2人、イギリス人の若者1人と話す。イギリス人は英国のEU離脱を嘆いていた。

夕暮れのソフィア

今日はともあれ「ロマ集落探訪」という旅の目的にほんのわずかながらもふれたこになる。もちろんこれが「探訪」に値するものとは毛頭思っていないが、一種のアリバイにはなる。特に観光はしていないものの、まずは満足できるソフィアの1日だった。明日はルセに向かう。
 

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