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2018年8月28日火曜日

イスラエル中東研修ツアー 六日目(ナザレ、終日講義)

8月6日。

今日は終日ホテル内での講義が続く。

午前8時30分から10時30分まではDr. M. Eladによる"Israel and the Palestinians: Long-term Dispute and Prospects for a Final Peace Agreement"と題する講義。

10時30分から12時30分までは同じくElad氏による"The Core Issues of the Israeli-Palestinian Conflict"なる講義。

Elad氏はイスラエル国防省アラブ地域政策補佐官という肩書きであり、上記の講義はイスラエルの立場を説明するものとされていた。

8時30分から始まった最初の講義では1920年代からの紛争の歴史に加え、1970代以降の和平に向けた交渉とその挫折の経緯が時系列的に語られた。イスラエルの視点からということだったが、パレスチナ側の主張も並置され、予期したほど一方的な内容ではなかった。

10時30分からの第2部では、イスラエル・パレスチナ紛争のCore issuesとして(1)イスラエルとパレスチナの最終的な境界線、(2)難民問題、(3)東エルサレム、(4)入植地の4つが挙げられた。ここでもパレスチナ側の主張もちゃんと紹介された。

講義

12時半に昼食。昼間のホテルは私たち以外にほとんど客がいない。

昼食

14時からは"The Palestinian Refuge Question"と題するDr.M. El-Taji Daghash氏の講義。これはさらに16時からの同氏による"The Araby/Palestinian Citizens of Israel"という講義に続く。午前中の講義がイスラエル・サイドから見た紛争の歴史と現状であったのに対し、これはパレスチナ・サイドからのものと言える。

14時からの講義では1948年からオスロ合意(1993年)に至る期間に焦点を合わせて、難民がいかにして発生し、増加し、残存しているかが説明される。パレスチナ難民救済を目的としたUNRWA(United Nations Relief Work Agency)などにも言及される。

16時からの講義では、現在イスラエル国民の20%余りを占めるアラブ人のStatusがテーマとなる。

この講義でKoenig Reportなるものの存在を知った。これは1976年にイスラエル内務省のKoenigによって作成された機密文書であり、Galilee地方におけるアラブ人の数と影響力を減らすという目的とそのための方策を論じている。国内のアラブ人に対するイスラエル政府の基本戦略を図らずも暴露した文書といえよう。

午前の講義でも午後の講義でも私はいくつか質問したはずだが、何を質問してどのような答えが返ってきたかはすっぽりと抜け落ちている。英語での講義ということもあるが、日本語でも同じような結果になったかもしれない。

講義は18時に終了した。ホテルの近くにあるスーパーに行き、ミネラルウォーターとスナックを購入。

7時ごろに夕食をとる。このホテルの料理はKosher(ユダヤの規則に従って調理された料理)ではなく、スペインやイタリアの団体客が多いようだ。

終日ホテル内で勉強という、ある意味でタフな1日がやっと終わった。
 

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