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2016年4月7日木曜日

ミャンマー2016 十日目(帰国・若干の感想)

2月17日。

今日は12時15分ヤンゴン発のマレーシア航空機でクアラルンプールを経由して帰国の途につく。昨夜、朝の7時30分にタクシーを呼ぶように宿に頼んでおいた(料金は9000チャット)。ちょっと早すぎるが、ヤンゴンの渋滞を見込んでのことだ。空港で2時間、3時間待つのはかまわないが、遅れて搭乗を逃すことだけは避けたい。朝7時に部屋を出て朝食を食べに下に降りると、タクシーはすでにホテルの前で待っていた。

朝食を済まし、空港へ向かう。まだ朝早いということもあり、たいした渋滞にも遭遇せず空港に着いた。時間がたっぷりあるので、空港内を観察。ちょっと特異なそろいの制服を着たミャンマー人の中年のご婦人方が目に付いた。何のためにどこへ行くのか、興味があったが、あえて尋ねるほどの勇気はない。

ヤンゴン国際空港ロビー

クアラルンプール空港に着いたのは夕方の5時近く。関空行きのマレーシア航空便は23時50分発だから、ここでも時間がありあまっている。クアラルンプールの街に出る気は最初からなかった。何年か前に訪れたことがあるうえ、今から出かけてもせいぜい夕食をとるくらいで終わるだろう。街へ出るにはお金もそれなりにかかる。

真夜中の12時近くにマレーシア航空機はクアラルンプールを発ち、関空へ向かう。機内は空き席が目立ち、行きと同様、中央の4つ並びの席のうち3つを占有できた。客が少ないのは2つの事故の影響が今でも残っているからなのだろうか。

ミャンマー9泊10日の旅はこのようにして終わった。

最初の3日目ぐらいまでは、ミャンマーにやってきたことを後悔した。はじめての土地に降り立つときの不安と緊張。土地勘がまったくない街の中、宿を探して歩く苦労。物価のレベルもわからない。ミネラルウォーターは100円くらいするのか10円でいいのか、見当がつかない。わざわざお金を出してどうしてこんな苦労をしに来たのだろうか。しかしこうしたネガティブな気分は徐々に、土地を知り、人を知る旅の楽しみに変わっていった。これは私の旅のいつもながらのパターンだ。飛行機を降りてはじめての土地に足を踏み出すときの憂鬱。にもかかわらず、帰国後には「やはり行ってよかった、もう一度行きたい」と思う。これはミャンマーだけに限らない。

マンダレーの少年

ミャンマーで何よりも印象に残っているのは、人々の優しい表情だ。「優しい」という言葉は的確ではない。英語の「gentle」という言葉がいちばんぴったりする。「優しい」、「親切」、「穏やか」をミックスしたようなもの柔らかな表情。もちろんすべてのミャンマー人というわけではない。だが、ミッチーナーの旅行会社の女性、YMCAの受付の女性、ミッチーナーの空港で私に搭乗を知らせてくれた男性、アウンサン将軍の誕生祝いの席で私に説明してくれた男性、その他さまざまな人の穏やかな表情と笑顔は今でも私の目の前に浮かぶ。

人々の穏やかさやちょっとはにかんだような笑顔はミャンマーだけでなく、ラオスやカンボジアでも気がついたことだ。皮肉なのは、こうした人々の穏やかな表情や振る舞いとそれぞれの国のあまり穏やかでない歴史との対比だ。ラオスもカンボジアもミャンマーもそれぞれ血と暴力の歴史を背負っている。人ごとではない。日本人も戦前から「礼儀正しい民族」として知られていたが、朝鮮半島や中国本土、その他のアジアで相当残虐なことをやっている。倭寇の昔からそうだ。優しい人や礼儀正しい人も所詮は少数派でしかなく、多数や集団の勢いにはかなわないのだろうか。あるいは個人が集団へと変わると、個人を超えた何か別の要素、別の力が加わるということか。

私のブログのタイトルは「辺境へ」だが、今回のミャンマー旅行は辺境への旅とは言いがたい。ミャンマーに辺境や秘境がないわけではない。だが、現地の言葉も知らず、たいした予備知識もない10日足らずの旅で辺境にまで到達できるわけがない。ミャンマーはぜひ再訪したい国のひとつになった。今度行くときにはもう少し足を踏み入れ、辺境の一歩手前くらいまでには行きたいものだ。

「四日目(ミッチーナー)」の記事で景勝地のミッソンについて「ダムを建設する計画があるが、今のところ大統領命令でストップしている」と書いた。帰国してから調べると、これは中国資本による発電ダムの計画で、プロジェクトの凍結はミャンマーと中国との関係悪化の一因となっているらしい。中国はこのダム工事の再開を強く望んでいる。最近行われたミャンマーの新外相アウンサンスーチーと中国の王外相との会談でも、王外相からミッソン・ダムの話題が出されたと報道されている。アウンサンスーチーは少数民族との対立を悪化させるという理由でダム建設に反対していたはずだが(http://www.epochtimes.jp/jp/2011/08/html/d47646.html)、今後どうなることか。

例によって今回の旅行のスライドショーを作成した。背景の音楽はヤンゴンで購入したCDからとった。正直なところ好きな音楽ではないが、他にミャンマー音楽の素材がないのでやむをえず使った。

ミャンマー旅行のスライドショー

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