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2016年11月4日金曜日

ブルガリア・ルーマニア2016 七日目(シギショアラへ)

10月1日。

昨日スーパー買ったパンとハムで朝食を済まし、シギショアラに向かう準備をする。だが、昨日購入した列車の切符が見あたらない。上着のポケットに入れておいたはずだが、そこにはない。カバンやバックパックの中にもない。部屋の隅から隅まで、ベッドの下まで探したが見つからない。日本の小さな切符とは違い、10x5cmくらいの大きさだから、部屋のどこかにあるならすぐに目に付くはずだ。外で紛失したのだろうか。列車の切符だけをねらうスリもいないだろうし、どこかで落とした可能性が高い。

時間がせまっているので、いつまでも探しているわけにはいかない。切符はあらためて買うことにして宿を出た。家主のいないアパートだから、チェックアウトの手続きもない。鍵を郵便ポストに入れておくだけだ。

バスでブラショフ駅まで行き、再度シギショアラ行きの切符を買った。列車はほぼ定刻どおり、8時50分過ぎに出発した。コンパートメントに乗り合わせたのは、ルーマニア人の中年女性と東洋人風の若い女性。東洋人風の女性は駅までのバスで私の横に座っていた女性だ。バスでも列車でも隣り合わせになるという偶然。日本人のようには見えない。中国人とも少し雰囲気が違う。

女性は香港人だった。「もし誰かに"Are you from China?"と聞かれたら、Yesと答えるかNoと答えるか」と尋ねたら、Noと答えるとの返事だった。「中国人」よりも「香港人」のアイデンティティのほうが先にくるのだろう。

ルーマニア人女性がクロスワードパズルをやっている横で、列車がシギショアラに到着するまでのおよそ2時間半、香港女性とほとんどノンストップで話した。中国本土と香港の関係、香港の議会選挙、フィリピン人メイドの問題など。そしてお互いの旅行経験。グラフィック・デザイナーの彼女はおそらく20歳代だろうが、かなり幅広く旅行している。日本にも2回来ており、京都が一番のお気に入りとか。私の北朝鮮旅行の話に興味を示し、ぜひ行ってみたいと言うので、Koryo ToursとYoung Pioneer Toursを紹介しておいた。

ルーマニア人がいかに親切で、ルーマニアがいかに旅行しやすい国であるかについても私たちの意見は一致した。昨日購入した切符を紛失していなければ、彼女と一緒のコンパートメントにはならなかっただろう。若い香港女性との2時間半の会話のためと考えれば、新規の切符の代金(1200円)もそれほど惜しくない。話に夢中だったため、車窓からの写真は1枚も撮らなかった。

列車で一緒だった香港女性

列車はほぼ定刻の11時半にシギショアラに到着した。香港女性はブラショフからの日帰り旅行でシギショアラに来ていたので、宿は予約していない。私は前日にbooking.comで宿を予約していた。彼女は街の中心まで徒歩で、私は宿までタクシーで行くことにし、「小さな街だからたぶんまたとこかで会うだろう」と言って別れた。

タクシーがなかなか見つからない。市の中心に向かってだいぶ歩いたところでやっと拾うことができた。今日から2泊する予定のPensiunea Jokerは中心から1km弱しか離れていないが、タクシー代は5レウ(125円ほど)だった。ぼられたかどうかは微妙なところだ。

Pensiunea Jokerはすばらしい宿だった。booking.comでの評価が9を上回っていただけのことはある。広いツインの部屋で1泊22ユーロ。テレビ、暖房、トイレはもちろんバスタブまで付いている。海外のゲストハウスやホテルでバスタブが付いているのはめずらしい(少なくとも私が泊まるような安い宿では)。朝食は別料金で5ユーロ。朝食も用意してもらうことにした。

チェックインしたときにはすでに昼の12時を過ぎていた。宿のスタッフ(オーナーかもしれない)が勧めてくれたレストランで昼食をとる。スープとパンとサラダ、それにビール。まずくはないが、特別においしいというわけでもない。レストランの名前は忘れたが、確かドイツ語だった。シギショアラはもともとザクセン人の城塞都市だったこともあり、ドイツ語の痕跡がところどろこに見られた。

石の城門をくぐり、要塞だった旧市街に入る。ひときは目立つのが時計台であり、観光の目玉でもある。石畳のこぢんまりした街並みは大勢の観光客で賑わっている。中世の面影を残した趣のある街だが、ブラショフほどの広がりはない。観光ポイントをざっと巡るなら、日帰りで十分だろう。

城門

時計台

城門の手前でロマ(ジプシー)の母子の物乞いを見かけた。今回の旅行ではじめて見かけるロマの物乞いだ。ロマらしき何人かの子供にも遭遇した。

物乞い

予期したとおり時計台の近くでかの香港女性に出会った。「ドラキュラのレストランに行ったか」と尋ねると、「行った」との返事。「ドラキュラのレストラン」とはドラキュラのモデルとなった貴族の生家を改造したレストランで、列車の中で彼女から話を聞いていた。料理はまずまずだが、52レウ(1300円ほど)と値が張ったらしい。

再度彼女と別れて、散策を続ける。結婚式の集合写真を撮っている場面にも遭遇した。夕食は小さなケバブ屋でとった。およそグルメの旅からはほど遠い選択だ。ケバブやサンドイッチと並んでShaormaというメニューがあった。ケバブやサンドイッチではあまりにありきたりなので、この未知のShaormaを頼んでみた。20レウにもならなかったが、これがおいしい。今回の旅で料理で感動したのはこれがはじめて。帰国してからShaormaを調べてみたが、どうも判然としない。シャウルマという発音らしく、ケバブの別名との説明もある。もともとはトルコ料理で、中東やロシアで人気があるらしい。ルーマニアに来てはじめてほんとうにおいしいと思ったのがルーマニア料理ならぬトルコ(あるいは中東、ロシア)料理だったとは。

Shaorma

宿に帰り、「明日はルーマニアの田舎を見たいから手配してくれないか」と頼んでみた。150レウでOKとのこと。午後2時に宿まで迎えに来てもらうことにした。

久しぶりに湯船につかり、ゆっくりと休む。

シギショアラの旧市街

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