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2016年10月21日金曜日

ブルガリア・ルーマニア2016 四日目(ブカレストへ)

9月28日。

ブカレスト行きのバスは午後1時過ぎで、ホテルのチェックアウトは12時。チェックアウトぎりぎりまでホテルに滞在しても十分に間に合う。

ホテルでビュフェ式の朝食を済ませ、荷物を部屋に置いたまま朝の散策に出た。ホテルからほど近いドナウ川に沿って歩き、街の中心に至る。朝のルセは人通りも少なく落ち着いていた。今日も快晴で、日差しが徐々に強くなってくる。

ドナウ川

ルセの朝

12時ちょうどにチェックアウトし、宿に手配してもらったタクシーでバスターミナルまで行く。バスの出発まではまだ時間があり、ブルガリアの通貨(レフ)もかなり残っていたので、ターミナルの食堂でちょっとボリュームのある昼食をとった。

バスといってもマイクロバスで、私のほかに7、8人の乗客が乗り合わせていた。ブルガリアとルーマニアのイミグレを通過する際には、運転手が乗客のパスポートを集めた。ここらへんの事情はよくわからなかった。あとでパスポートを調べると、ブルガリア出国のスタンプは押されていない。

ブルガリアには3日間しか滞在しなかった。今回は合計9泊の旅。当初はブルガリアに4泊、ルーマニアに5泊の予定だった。ブルガリア滞在を1日早めたのは、ブルアリアが気に入らなかったからではない。逆だ。ブルガリアはもう一度訪れたい国のひとつになった。3日の滞在で終わらせたのは、ルーマニアの旅に余裕を持たせたかったからだ。

マイクロバスは出発してから2時間ちょっとでルーマニアの首都ブカレストに到着した。しかしバスターミナルではなくブカレストの街中で降ろされたので、ここがどこだかわかない。運転手に尋ねるも、英語が苦手らしく、乗客の中の若い女性に下駄を預けてしまった。この女性も英語が得意というわけではなく、「ここはどこだ」という私の素朴きわまりない質問に答えてくれない。だが、私が「ブカレスト北駅(Gara de Nord)に行きたい」と言うと、女性も同様で、タクシーで一緒に行こうということになった。彼女がスマホで呼んだタクシーに乗り、10分以上かけてブカレスト北駅に着く。代金はひとりあたり10レイ(250円ほど)だった。少額ながらルーマニア通貨をルセで購入済みだったのが役立った。

ブカレスト北駅

ブカレストでのホテルは前日にbooking.comを通じて予約しておいた。翌日にはブラショフに行くつもりだから、ホテルは駅に近いところがよい。駅から歩いて3分ほどのこのホテルを探すのにちょっと手間取った。ブカレストははじめてではなく、北駅付近には多少の土地勘もあったのだが、本来の方向感覚のなさから、人に聞いてやっとたどり着けるありさま。

予約してあったのはHotel Sir Gara de Nordで、シャワー・トイレ共用のツインルームが1泊25ユーロ。シングルルームならもっと安いのだが、なにぶんにも前日の予約なので空きがなかった。

ホテルでしばらく休んでから、外に出る。午後6時ごろだが、まだ明るい。まず駅に向かい、両替を済ませて、明日のブラショフ行きの切符を購入する。午前10時発の列車を選ぶ。料金は48.90レイ(1200円ほど)だった。

次は街の探索だ。北駅近くは5年前にも2泊している。市場に行こうとしたが、なかなか見つからない。市場は見つからなかったが、子供も含めた10人ほどのロマ(ジプシー)に遭遇した。道にたむろし、男たちは酒を飲んでいる。私が通り過ぎようとすると、歯の抜けた男が何か話しかけてきた。

片言のドイツ語を話せるようだ。ドルトムントに住んでいたらしい。ティーンエイジャーらしき少女が着ていた派手なシャツが気に入ったので、写真を撮らせてくれと頼むと、そぼにいる男たちがお金を要求してきた。なんと30ユーロとのこと。とんでもない。私が相手をしないので、男たちは20ユーロ、10ユーロと値段を下げていき、最後に5ユーロになった。30ユーロから出発したので、5ユーロはずいぶん安いと勘違いした私はここでOKを出し、写真を4枚ほど撮った。

ロマの少女たち

撮ったあとにすぐに悔やんだ。5ユーロが高すぎたこともあるが、それだけではない。写真撮影のために金銭を支払うという行為そのものに対する後悔だ。観光資源の撮影を有料にするというのはままあることで、被写体に「人」が含まれるケースもありえるだろう(たとえばエチオピア南部の少数民族の撮影の場合)。しかしブカレストに住むロマは「観光資源」ではない。にもかかわらずお金を払ってしまった。「ロマ集落の探訪」などと言いつつも、結局は私もロマの人々を観光対象とする観光客にすぎなかった。否が応でもこのことを思い知らされる体験だった。

撮影が終わると、ロマの女の子たちは私を捕まえ、服の袖口や裾を引っ張って近くにある店につれていこうとする。「マンジャーレ、マンジャーレ」と言いながら。イタリア語からの類推で、「マンジャーレ」は「食べる」を意味しているのだと理解した。何か食べるものを買ってくれということなのだろう。このマンジャーレ攻撃をなんとか振り切って彼女らと別れた。「捕まえ」とか「振り切って」とか言っても、お互いに笑いながらだから、険悪な雰囲気になったわけではない。彼女らの名誉のために付け加えておけば、私の体をつかみながらも、私のカバンやポケットに手を入れようとする気配はまったくなかった。

夕食は北駅の小さな食堂でとった。「食」を期待して再訪したルーマニアであるはずなのに、はじめての食事を駅の食堂で済ますという安易なやり方を選んでしまった。安く済んだのはありがたかったが。夕食後そのままホテルに戻り、ルーマニア再訪の第一日目を終えた。

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