ミッション・カトリックの朝食は6時から8時の間と決まっている。機内でとった食事のおかげで腹が空いていなかったこともあり、昨夜は夜食をとらずに9時過ぎにそのまま寝入ってしまった。目が覚めたらまだ朝の4時。ベッドに横たわって体を休め、7時になって食堂に向かった。
朝食はフランス式でバゲットとコーヒー(または紅茶)だけ。コーヒーはインスタントだ。これで1000CFAはちょっと高いが、バゲットはおいしかった。コーヒー茶碗は取っ手が付いておらず、ボウルの形になっているのがブルキナらしい。
ミッション・カトリックは修道女たちによって運営されている。食堂にも大勢の修道女がいた。加えて、男性の宿泊客が2、3人に欧米人が2、3人。
朝食後、ミッションの受付に出向いた。聞きたいことが3件あったからだ。
受付の女性の答えは次のとおりだった。
シャワーを使ってから(水シャワーだから、さすがにこの時期寒く、髪を洗っただけ)、カテドラルを出る。カテドラルの前ではクリスマスを控えてcreche(キリスト生誕の飾り)を売っていた。男2人が近づいてくる。皮製の地図を持っている。マリの地図だ。「我々はマリからの避難民だ。マリは今ひどい状態になっている。これを買ってくれないだろうか」と売り込んでくる。またあとで来るからと言ってその場を切り抜けた。
creche売り場を離れ、ワガドゥグの中心であるGrand Marche(グランド・マーケット)を目指す。20分近く歩いただろうか。Grand Marcheの建物が見える。人、モーターバイク、騒音のカオス。さっそく声がかかる。物売りの誘いだ。断ってもついてくる。「ブルキナファソはマリの田舎」という思い込みがもろくも崩れる。6年前の記憶との比較だからあまりあてにならないが、この喧噪はマリのバマコを上回っている。期待していたのはもっとのんびりした、もっと穏やかで静かなブルキナファソだったのだが。
「田舎」の対義語は「都会」だが、ワガドゥグを都会と呼ぶのはちょっとひっかかる。「都会」という言葉が内包する高層ビル、しゃれた店、光の洪水などが皆無だからだ。いずれにしてもマリに似てはいるが、田舎ではない。
路上でブルキナファソやワガドゥグの地図を売りつけてくる男がいた。普段ならこの種の誘いは無視するのだが、Lonely Planet掲載の地図ではいささか頼りないこともあり、ちょっと興味をひかれる。ワガドゥグの地図が13500CFAだという。高すぎる。いくらなら買うかというので、「5000」と答える。これが失敗だった。ブルキナに着いて初めてお金を使う場面なので、金銭感覚が狂っていたのだ。結局8000CFAで購入することになった。13500が8000になったのだから、だいぶ値切ったと思ったが、そもそも13500CFAというのが法外な値段だった。8000CFAでも日本円にすれば1600円。地図1枚に1600円はありえない。CFAの金額に0.2を掛ければ日本円の金額になると気づいたのはこのあとのこと。そのうえ、1600円も出して購入したこのワガドゥグの地図は郊外にばかりに詳しく、肝心の市の中心部はおざなりで使い物にならなかった。
自分で納得して購入したのだから「欺された」というのはあたらない。不注意だっというしかない。この旅最大の浪費だった。
昼食はマーケットの近くのローカルの食堂でとった。ぶっかけ飯で300CFA(60円)。ライスの上に乗っている魚と野菜がおいしかった。
さて、明日のBobo-Dioulasso(ボボ)行きのバスの切符を購入しなければならない。マーケットの周りにはたくさんのタクシーがたむろしている。そのうちの1台を拾い、値段を聞く。「TCVまで行き、切符を買ってカテドラルに帰るまでひっくるめて3000CFA」とのこと。妥当なところだろう。
バス会社のTCVはそれほど遠くない。歩けば30分から40分くらいだろうか。明日10時発のボボ行きの切符を購入する。7000CFAだった。
カテドラルに帰り、5000CFA札でタクシー代を払おうとすると、お釣りがないという。2000CFAのお釣りは、明日カテドラルに迎えに来てTCVまで乗せていくから、それで相殺してくれとの提案。実直で気がよさそうな運転手だったので、OKの返事を出し、明日朝9時に迎えにきてもらうことにした。9時という早めの時間にしたのは、万一迎えに来てくれなかった場合、自力でタクシーを探さなければならず、そのための時間を考慮したからだ。
ミッション・カトリックでは昼食と夕食も提供している。それぞれ2500CFA。少し高いが1度くらいは経験だと思い、この夕食を申し込んだ。
夕食は7時から。夕食に現れたのは30人くらい。外国人らしきは私と欧米の中年女性の2人だけだった。この日の夕食はスパゲッティ。私のテーブルの向かいに真っ赤なスーツの若い黒人女性が座る。ブルキナファソでスーツ姿はめずらしい。この女性と英語での会話となった。女性はブルキナファソ出身だが、現在はガーナのmarine logisticsの会社で働いているという。英語をしゃべれるのはそのためだ。
マリの音楽の話になった。マリの音楽はブルキナファソに広く浸透している。Rokia Traoreは現在パリに住んでいることなどを知った。現在のマリは音楽にはふさわしい環境でないから、不思議ではない。
女性はマリには行ったことがあるが、アフリカ大陸以外は訪れたことがない。来年は仕事でパリに行けるかもしれないとうれしそうに語っていた。
日本人と話すのは私がはじめてかと聞くと、そうではないとのこと。ブルキナファソでモーターバイクの事故に遭遇して腕を骨折したとき、リハビリの病院に日本人のボランティアがいて友達になり、フランス語を教えたりしていたという。
ガーナの首都のアクラはブルキナのワガドゥグやマリのバマコよりずっと近代的で、ずっと都会らしい。ボボはマリに近いので、よりマリに似ていることなどもこの女性から知った。
今日も疲れている。部屋に帰り、灯りをつけたまま寝入っていた。
朝食はフランス式でバゲットとコーヒー(または紅茶)だけ。コーヒーはインスタントだ。これで1000CFAはちょっと高いが、バゲットはおいしかった。コーヒー茶碗は取っ手が付いておらず、ボウルの形になっているのがブルキナらしい。
ミッション・カトリックは修道女たちによって運営されている。食堂にも大勢の修道女がいた。加えて、男性の宿泊客が2、3人に欧米人が2、3人。
ミッション・カトリックでの朝食
朝食後、ミッションの受付に出向いた。聞きたいことが3件あったからだ。
- 明日はブルキナファソ第2の都市Bobo-Dioulasso(通称ボボ)に行くつもりだが、バスの切符はどこで買えばよいのか。
- ユーロをCFAに両替するにはどこへ行けばよいのか。昨日空港で100ユーロ両替したが、これだけでは心もとない。
- ブルキナファソの伝統音楽を聞くにはどこへ行けばよいのか。
受付の女性の答えは次のとおりだった。
- TCVというバス会社がベスト。TCVまではタクシーで行くとよい。
- 両替はここでも可能。ということでさらに100ユーロをCFAに換える。両替のレートは昨日の空港と同じ。
- 近くにいた中年の修道女がカテドラル近くの2軒の本屋に案内してくれた。その本屋にはCDも置いてある。実は私が知りたかったのはライブの音楽会場だったのだが、これはliveであることをちゃんと言わなかった私が悪い。そもそも修道女にライブの音楽会場を尋ねること自体がどうかという気もする。案内された本屋では帰国前日に何枚かのCDを購入することになる。
シャワーを使ってから(水シャワーだから、さすがにこの時期寒く、髪を洗っただけ)、カテドラルを出る。カテドラルの前ではクリスマスを控えてcreche(キリスト生誕の飾り)を売っていた。男2人が近づいてくる。皮製の地図を持っている。マリの地図だ。「我々はマリからの避難民だ。マリは今ひどい状態になっている。これを買ってくれないだろうか」と売り込んでくる。またあとで来るからと言ってその場を切り抜けた。
カテドラル前のcreche売り場
creche売り場を離れ、ワガドゥグの中心であるGrand Marche(グランド・マーケット)を目指す。20分近く歩いただろうか。Grand Marcheの建物が見える。人、モーターバイク、騒音のカオス。さっそく声がかかる。物売りの誘いだ。断ってもついてくる。「ブルキナファソはマリの田舎」という思い込みがもろくも崩れる。6年前の記憶との比較だからあまりあてにならないが、この喧噪はマリのバマコを上回っている。期待していたのはもっとのんびりした、もっと穏やかで静かなブルキナファソだったのだが。
Grand Marche
ワガドゥグの喧噪
「田舎」の対義語は「都会」だが、ワガドゥグを都会と呼ぶのはちょっとひっかかる。「都会」という言葉が内包する高層ビル、しゃれた店、光の洪水などが皆無だからだ。いずれにしてもマリに似てはいるが、田舎ではない。
路上でブルキナファソやワガドゥグの地図を売りつけてくる男がいた。普段ならこの種の誘いは無視するのだが、Lonely Planet掲載の地図ではいささか頼りないこともあり、ちょっと興味をひかれる。ワガドゥグの地図が13500CFAだという。高すぎる。いくらなら買うかというので、「5000」と答える。これが失敗だった。ブルキナに着いて初めてお金を使う場面なので、金銭感覚が狂っていたのだ。結局8000CFAで購入することになった。13500が8000になったのだから、だいぶ値切ったと思ったが、そもそも13500CFAというのが法外な値段だった。8000CFAでも日本円にすれば1600円。地図1枚に1600円はありえない。CFAの金額に0.2を掛ければ日本円の金額になると気づいたのはこのあとのこと。そのうえ、1600円も出して購入したこのワガドゥグの地図は郊外にばかりに詳しく、肝心の市の中心部はおざなりで使い物にならなかった。
自分で納得して購入したのだから「欺された」というのはあたらない。不注意だっというしかない。この旅最大の浪費だった。
昼食はマーケットの近くのローカルの食堂でとった。ぶっかけ飯で300CFA(60円)。ライスの上に乗っている魚と野菜がおいしかった。
60円の昼食
さて、明日のBobo-Dioulasso(ボボ)行きのバスの切符を購入しなければならない。マーケットの周りにはたくさんのタクシーがたむろしている。そのうちの1台を拾い、値段を聞く。「TCVまで行き、切符を買ってカテドラルに帰るまでひっくるめて3000CFA」とのこと。妥当なところだろう。
バス会社のTCVはそれほど遠くない。歩けば30分から40分くらいだろうか。明日10時発のボボ行きの切符を購入する。7000CFAだった。
カテドラルに帰り、5000CFA札でタクシー代を払おうとすると、お釣りがないという。2000CFAのお釣りは、明日カテドラルに迎えに来てTCVまで乗せていくから、それで相殺してくれとの提案。実直で気がよさそうな運転手だったので、OKの返事を出し、明日朝9時に迎えにきてもらうことにした。9時という早めの時間にしたのは、万一迎えに来てくれなかった場合、自力でタクシーを探さなければならず、そのための時間を考慮したからだ。
ミッション・カトリックでは昼食と夕食も提供している。それぞれ2500CFA。少し高いが1度くらいは経験だと思い、この夕食を申し込んだ。
夕食は7時から。夕食に現れたのは30人くらい。外国人らしきは私と欧米の中年女性の2人だけだった。この日の夕食はスパゲッティ。私のテーブルの向かいに真っ赤なスーツの若い黒人女性が座る。ブルキナファソでスーツ姿はめずらしい。この女性と英語での会話となった。女性はブルキナファソ出身だが、現在はガーナのmarine logisticsの会社で働いているという。英語をしゃべれるのはそのためだ。
マリの音楽の話になった。マリの音楽はブルキナファソに広く浸透している。Rokia Traoreは現在パリに住んでいることなどを知った。現在のマリは音楽にはふさわしい環境でないから、不思議ではない。
女性はマリには行ったことがあるが、アフリカ大陸以外は訪れたことがない。来年は仕事でパリに行けるかもしれないとうれしそうに語っていた。
日本人と話すのは私がはじめてかと聞くと、そうではないとのこと。ブルキナファソでモーターバイクの事故に遭遇して腕を骨折したとき、リハビリの病院に日本人のボランティアがいて友達になり、フランス語を教えたりしていたという。
ガーナの首都のアクラはブルキナのワガドゥグやマリのバマコよりずっと近代的で、ずっと都会らしい。ボボはマリに近いので、よりマリに似ていることなどもこの女性から知った。
今日も疲れている。部屋に帰り、灯りをつけたまま寝入っていた。
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