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2017年10月25日水曜日

チェチェン共和国2017 Kezenoy-am湖へ(チェチェン三日目)

10月5日。

今日はチェチェンの建国199周年記念日。いろいろな行事があるとのことだが、私たちはダゲスタンとの国境に近いKezenoy-am湖に向かう。チェチェンの歌やダンスに興味がある私としてはちょっと残念。

湖に行くにはかなり険しい山道を通るため、Abdullaは特別に車と運転手を手配していた。
8時過ぎ、その運転手とホテルから少し離れたところで合流する(運転手の名前は忘れてしまった)。英語はまったくしゃべれない。車は日産のジープ。だいぶ前に製造中止になったジープらしく、運転手はAbdullaの通訳を介して「日本に帰ったら、この車の製造を再開するように日産に頼んでくれ」と言う。トヨタでも三菱でも駄目だとのこと。

北コーカサスの絶景の中をジープは進む。途中、小さな滝やミュージアムに立ち寄る。滝は山の中にあり、道なき道を石から石へと、ときには小さな水の流れを飛び越えながら、やっとたどり着いた。20分ぐらいはかかっただろうか。ミュージアムは故アフマド・カディロフ大統領(現在のラムザン・カディロフ大統領の父親)の巻き添えで2004年に爆殺された政治家を記念するものだった。あまり多くはない展示品の中、爆殺されたときに着用していた血染めの衣服が記憶に残っている。

チェチェンの絶景

二人連れのロシア人観光客と出会う。そのうちのひとりと英語で少し話す。日本の広島と長崎も訪れたことがあるという。「俺はチェチェンに友達がいるからやって来たが、日本人のお前がどうしてこんなところに来るのか」と訊かれる。

「今ロシアとチェチェンの関係は良好だ。我々は1つの国だ」とも。あとでAbudllaにあのロシア人はこう言っていたと伝えると、フンと冷笑するような表情になった。「何をほざいているのか」といったところか。

小さな村に入り、運転手の親戚(叔父さんだったように思う)の家で遅めの昼食をとる。大量のチキン、韓国のスンデに似たソーセージ、パン、そしてデザート。チェチェンの家庭料理だ。すべて自家製、手作りで、おいしい。

チェチェンの家庭で昼食

デザート

1995年に多数の村人がロシア軍に殺害された記念碑などに立ち寄り、ジープは進む。壮大な山々を背景に、ときには羊や馬の群れを避けながら。

羊の群れに出会う

Nikhaloyの滝に着く。午前中のものより大きい滝だ。これもアクセスが容易でない。山の奥深く、30分くらいかけてよじ登るがごとくにたどり着く。誰とも出会わない。静寂の中を流れ落ちる滝。

Nikhaloy Waterfall

山々の絵を描いている2人組(たぶんチェチェン人だろう)に遭遇したりしながら、ジープがKezenoy-am湖に着いたのは夕方の6時ごろ。陽は暮れなずんでいる。グロズヌイからここまで、いろいろなところに立ち寄りながら、10時間近くかかったわけだ。

暮れかかる夕陽をかすかに映しているこの静寂の湖は、コーカサス最大で、深さはバイカル湖に次いでロシアで2番目とか。

Kezenoy-am湖

今夜この湖のほとりにあるKezenoy Hotelに宿泊する。Grozny City Hotelより劣るが、新しく立派なホテルだ。Wifiも用意されているが、接続は不安定だった。こんな山奥まできてWifiにこだわるほうがおかしいのだろう。

Kezenoy Hotel

夕食はホテルでとった。まわりにレストランやカフェの類いは皆無。ホテル以外に選択肢はない。注文したのはチェチェン料理のひと皿(名前は失念)と中央アジア料理のマントゥ(一種の蒸し餃子)。マントゥはあまりおいしくなく、残してしまった。昼に食べ過ぎていたからかもしれない。

明日はダゲスタンの村を訪れる。

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