今日は「Garni Temple and Geghard Monastery」(ガルニ神殿とゲガルド修道院)のバスツアーの日だ。ツアーの開始は10時だが、Alexander Tamanyan像の前に9時30分に集合してくれとのことだった。
集合場所は前日に歩いて確かめていたが、この日はYandexタクシーで向かった。
像の前に停まっているミニバスに乗り込む。総勢15、6人。ほとんどが西洋人(あとでほぼ全員がロシア人と判明する)の中、ひとりアジア系の女性がいてほっとする。ドバイで働いているフィリピン女性だった。大学を卒業してすぐにドバイに移住、20年が経過するとのことだった。
ツアーの女性ガイドはまずロシア語で説明し、同じことを英語で繰り返す。英語の説明が必要なのは私とフィリピン女性、それに同じくドバイで働いているセルビア人男性の3人だ。セルビア人男性は「ロシア語も理解できるが、ドバイでは日常的に英語を使っているので英語のほうが得意」とのことだった。つまり本当に英語の説明を必要としたのは私とフィリピン人女性の二人だけだった。
バスの中でガイドが、ゲストひとりひとりの出身地を尋ね、それぞれの地で何が有名かを聞く。私の番がきたので、無難なところで寿司と答えた(Japan is famous for sushi)。するとロシア人2、3人から「アニメ」という声が上がった。
ロシア語と英語で説明するガイド
私にとって神殿よりも印象的だったのは自然の景観だ。特に神殿から少し離れたところにある「石のシンフォニー」と呼ばれる岩石群は圧巻だった。「石のシンフォニー」という名称は、垂直に屹立している多数の石がパイプオルガンを想起させるところからきている。
石のシンフォニー(1)
石のシンフォニー(2)
親子3人連れのロシア人と少し言葉を交わす。英語が不得意らしい両親のために、中学生か高校生くらいの聡明そうな娘が通訳してくれる。次の旅行先はウズベキスタンとのこと。母親はロシアとウクライナのハーフということだった。今度の戦争をどう思うか、プーチンを支持しているかどうかと聞きたいのはやまやまだが、おそらくプーチンのことなど忘れたくてわざわざアルメニアまで来ている家族にそんなことを尋ねる図々しさは私にはなかった。
石の絶景に続いて、lavashというパンを作っている場に行く。二人の女性がパンをこね、平たくし、壺に入れて焼く。ラバッシュは薄く平たいパンで、アルメニアだけではく、トルコやクルドなどでも作られているらしい。つくりたてはソフトでおいしいが、少し外気にさらすとすぐに固くなってしまう。
ラバッシュをつくる
パンづくりを見た後は昼食だ。軽食ということだったが、チキンと野菜で結構ヘビーな昼食だった。コーヒーは無料だが、ワインは有料(注文していないので、値段は不明)。
ツアー参加者全員で昼食
昼食で隣になったロシア人男性(確かモスクワ在住だった)が私に英語で話しかける。ウラジオストックやサハリンを旅行したとのこと。陶器のかけらの写真を見せ、日本のものだと言う。何回か繰り返して「カラフト」という名を口にしたのに驚いた。「カラフト」とは日本語ではないか。
ツアー最後の訪問先はゲガルド修道院。岩を掘って作られた洞窟修道院で、地震や戦争などなどに耐え、補修を重ね、現在は世界遺産に指定されている。
ゲガルド修道院
土産物を探しながら歩いてホテルに戻る。少し体を休めてから、アルメニア最後の夕食をホテル近くのピザのチェーン・レストランでとった。大勢の客で賑わっている人気の店だ。もっとも私が注文したのはピザではなくサーモンの寿司(この店には寿司コーナーがあった)。ここでも予想を裏切らず、寿司はまずかった。ロシアで何回か口にした寿司は米に難があるものの、魚はおいしかった。しかし海に接していないアルメニアでは魚も新鮮さを失っていた。こんなことならピザにしておけばよかった。
0 件のコメント:
コメントを投稿