7月1~2日
バルト3国への旅行を思い立ったのは、アルメニアやアゼルバイジャンと同様、「まだ行っていないから」という消極的な理由からだった。つまり、訪れた国の数を増やしたいという、ちょっと下衆な動機だ。
ともあれ、7月1日22時25分関空発タリン(エストニア)行き、7月13日20時20分ビリニュス(リトアニア)発関空行きのターキッシュ・エアラインズの往復便を197000円で購入した。
1日の夜に関空を飛び立ったターキッシュ・エアラインズ便はイスタンブールでの3時間余りの待ち時間を経て、午前11時半にタリンの空港に到着した。
新しい国に降り立ったとき私がまず行うのは、両替とSimカードの購入だ。両替については、手持ちのユーロとドルがいくばくかあったうえ、大阪の銀行ですでに2万円をユーロに換えていたので必要なかった。
問題はSimカード。空港にあるはずのSimカード売り場が見当たらない。いろいろ問い合わせ、空港の外に出て10分ほど歩いたショッピング・モールの中のキオスクでやっと4GBのSIMカードを4ユーロで入手。代金を支払おうとしたところ、カバンの中に入れた財布がなかなか見つからない。もたもたしていると、私の後ろに並んでいた20歳くらいの青年が「お金がないのなら、私が払おうか」と言ってくれる。現金が見つからなくてもクレジット・カードがあるから、青年のお世話にはならず自分で支払ったが、大金ではないとはいえ、思いがけない好意に驚いた。
通常なら店員がスマホへのSimカードの挿入や設定をやってくれるのだが、キオスクのおばさんにそんなことを求めることはできない。モール内のベンチに腰かけて、自分でカードを挿入し、PINコードを入力して、やっとネットにつながることがきた。
ホテルはBooking.comを通じて2泊だけ予約していた。旧市街にあるSt. Olaf Hotelだ。朝食付きで1日目が59ユーロ、2日目が64ユーロ。かなり高いが、旧市街ではこれより安いホテルを見つけるのが難しい。
空港から旧市街までは15番のバスで行けるらしい。ショッピング・モール前のバス亭でしばらく待つとバスがやってきた。料金の2ユーロはクレジット・カードをタッチして支払う。どこにタッチするかは乗客のおばさんがロシア語で教えてくれた。
旧市街らしきところに来たところでバスを降りる。グーグル・マップで調べると、降車した地点からSt. Olaf Hotelまでは徒歩で14分の距離。これはつらかった。機内であまり寝ていないの疲労困憊していたうえ、バックパックが背中に食い入る。途中で休みながら、30分ほどかけてようやくホテルにたどり着いた。タリン空港に降り立ったのは11時半だが、ホテルにチェックインしたときには午後3時を過ぎていた。
St. Olaf Hotel
部屋で体を休めたあと、5時過ぎに外に出る。旧市街の中心ともいうべきラエコラ広場までは歩いて5分ほど。趣のある、きれいな石畳の通りが広がっている。目に付いたのは観光客の多さ。大半が欧米人のようだ。
ラエコラ広場
タリンのストリート
5時を過ぎても陽光が降り注ぐ小ぎれいなタリンの街を当てもなく歩く。旧市街の入口になるヴィル門も見た(このときはヴィル門だとは認識していなかった)。
ヴィル門
スーパーで夕食用にビール、缶詰、サラダ、チョコレート、水などを購入し、ホテルへ戻る。
疲れ切っていたせいか、この日は7時過ぎに部屋の明かりをつけたまま寝入ってしまった。