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2015年9月11日金曜日

北朝鮮2014 四日目(8月21日)

ホームステイがかなわなかった日本人とアメリカ人の3人組は早朝にホームステイ村に戻り、他のメンバーと合流して朝食をとる。今日はメンバーのひとり、イギリス人Matthewの誕生日だ。朝食のテーブルではMatthewのために特別なディッシュが追加されていた。

エンジン付きのボートで海を巡ってから、今日のメインである七宝山(チルボサン)に向かう。七宝山は北朝鮮有数の景勝地で、中国の瀋陽にはその名を冠した北朝鮮直営の七宝山ホテルがある(ちなみに北朝鮮による米国ソニーへのサイバー攻撃の拠点と噂されたのがこの七宝山ホテルだ)。中国からの観光客が増えているということだったが、この日は中国人観光客には出会わなかった。代わりに出会ったのが地元の清津から来た20人ほどの行楽客。いくつかの家族で連れ立って来ているらしい。添乗員とおぼしき女性もいる。添乗員らしき人を除き、誰も金日成/金正日バッジを付けていない。服装もそれなりにしゃれているうえ、ビデオを回している男性もいる。中国の朝鮮族かとも思ったが、まぎれもなく北朝鮮の地元民だ。清津に対する「貧しい」という印象が少し修正された。

清津から来た一行


我がグループのアンバサダー、Antonがこのグループに請われて集合写真に加わったことから、両グループのしばしの交流が始まった。徐ガイドの指示のもと、彼らが我々のひとりひとりの国籍を当てるというゲームが始まったのだ。私の国籍はすぐに当てられた。男性が「Japanese」と言い、すかさず女性が「イルボン」と続ける。簡単に推測されるのも当然。韓国人は北朝鮮に来られないし、中国人は中国人のグループで来る。したがって選択肢は日本人しかない。米国籍の韓国人や中国人、マレーシアやシンガポールの中国人という可能性もあるが、通常そこまでは想像力が及ばない。この交流を動画で見ておこう。撮影者である私の国籍が当てられる場面はない。


ちょっと解説。ここで活躍しているのは韓国に14年滞在したScott。国籍当てがひととおり終わり、Scottの年齢を当てることになった。誰かが「オーシプ(50)!」と叫ぶ。47歳のScottが기분 나빠요(キブンナッパヨ=気分が悪い)と応じ、北朝鮮グループがドッと笑う。続いて別の誰かが「ユクシップ(60)」と叫ぶと、Scottは「キブントーナッパヨ(気分がもっと悪い)」と返し、さらに笑いを誘っている。

あとでこの動画を見ていて気づいたのは、女性たちが笑うときに手で口元を隠していることだ。こうした仕草は日本女性に特有だと思っていたが、北朝鮮の女性もそうであるとはちょっとした発見。

七宝山には仏教のお寺もある。おそらく外国人向けに「信教の自由」を宣伝するためだろう。私はこれまでに、平壌近郊、妙香山、沙里院、開城と、4つのお寺を訪れたが、北朝鮮の一般の人々が詣でている姿を見たことがない。七宝山のお寺も同様だった。

七宝山のお寺

七宝山の休憩所で昼食の弁当を食べてから、次の目的地である鏡城(キョンソン)郡に向かう。ここは日帝時代からのリゾート地だ。海岸の景勝地で一休みし、向かった先は温泉。温泉といっても日本式とは違い、仕切りで区切られた個室の浴槽につかる仕組み。久しぶりにお湯で髪を洗えたのがうれしい。温泉の外では地元民がバレーボールをやっていたのでしばらく見物。

温泉の入り口


今夜の宿は温泉の近くにある鏡城温泉ホテルだ。ホテルでとった夕食では1人に1匹づつ毛ガニが付いていた。しかしここでも我々の半数あまりは毛ガニに手を出さない。私は隣に座っていたブルガリア人のVesに食べ方を教授しながらおいしくいただいた。

今日はMatthewの誕生日なので、デコレーションケーキが出てきた。これは隣のテーブルにもお裾分け。隣のテーブルは中国から来た朝鮮族の観光客だ。50~80歳代くらいの10人ほどのグループ。私が저는일본에서 왔습니다(私は日本から来ました)と言うと、老人のひとりが握手を求めてきた。

夕食には毛ガニとケーキが

夜、ガイド2人の案内で村を散策した。真っ暗で何も見えないが、北朝鮮の田舎を夜間歩いたという事実で満足しておこう。宿に帰ってから、Scottが徐ガイドに清津で英語教師として働く可能性はないかと尋ねていた。1年契約だったか2年契約だったかは忘れたが、その可能性はあるらしい。徐ガイドが「条件は決してよくない」と強調していたのが印象に残った。この宿でもバスタブはあるが湯は出なかった。

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