よろしければクリックしてください。
にほんブログ村 旅行ブログ 海外旅行へ
にほんブログ村

2015年9月7日月曜日

北朝鮮2014 ガイド(案内員)について

ここでちょっと一休みして、北朝鮮旅行で不可避のガイド(案内員)について簡単に説明しておこう。先にも書いたように、単独の個人旅行であれ、グループツアーであれ、必ず2人のガイドとドライバー、合計3人が付き添う。30人、40人といった大きなグループのツアーではガイドの数も増えるだろうが、私自身は経験したことがない。1人の旅行者でも2人のガイドが付くのは、おそらくガイド同士の相互監視のためだろう。

さて、2人のガイドだが、上司と部下といったある種の上下関係があるようだ。北朝鮮では、韓国のように「~씨(氏)」、「アジョシ」、「アガシ」といった呼称は使わず、「トンム(同務)」と「トンジ(同志)」を使って人に話しかける。トンムは同等ないし目下の相手、ドンジは目上の相手に使う。ガイド2人は多くの場合、「トンム」と「トンジ」の関係にある。たとえば、AガイドがBガイドを「キム・トンム」と呼び、BガイドはAガイドを「リー・トンジ」と呼ぶいった関係だ。

上司であるガイドは各種の手配や段取り、手続きを受け持ち、部下のほうは現地ガイドがしゃべっている内容の通訳、旅行者への説明などを担当する。もちろんこれはおおよその傾向であり、厳密に分業化されているわけではない。とりわけ日本人旅行者を受け持つガイドは2人とも日本語をしゃべるケースが大半だから、上司にあたるガイドが通訳や案内をする場面も多々ある。

言うまでもないが、上司にあたるガイドのほうが年上だ。男性と女性のガイドの2人組の場合、男性のほうが上司になる。女性が上司で男性が部下というケースは見たことがない。同じく女性2人組のガイドというのも目にしたことがない。(※これは訂正しなければならない。2015年の北朝鮮旅行である個人旅行者に2人の女性ガイドが付いているのを目撃した)北朝鮮は日本以上の男社会で、たとえば女性が人前で喫煙することなどは考えられない。ガイドの組み合わせも、北朝鮮社会に根強い儒教的な伝統を反映しているのかもしれない。

今回のツアーに付いたのは、徐氏(我々はMr.Soと呼んでいた。ひょっとすると徐ではなく、宋かもしれない)とその上司(と思われる)XXX氏だ。XXX氏の名前を失念してしまった。XXXでは不便なので、以降便宜的に「李氏」と呼ぶことにする(「李」ではなかったことは確かだが)。ここでは分業ははっきりしていた。というのも、李氏は英語がまったくしゃべれなかったからだ。したがって旅行者のための通訳や案内はすべて徐氏の役目となる。彼らが我々に付き添ったのは清津エリアだけで、管轄が異なる羅先に入ると別のガイドとドライバーが付くことになった。

ガイド(案内員)


案内員ではなく監視員だという声も聞かれる。もちろん監視の側面は否定できない。旅行者がトラブルを引き起こせば、自分たちの責任となるからだ。しかし、多くの場合、ガイドたちは旅行者を満足させるために、数多い制限の中で最大限の努力をしているように思う。

今回のツアーのガイドのひとり、李氏(仮)は60歳代。英語がまったくできないので、言語的なコミュケーションは難しかったが、それでも我々の間では人気があった。ただの監視員ではこうはいかないだろう。

0 件のコメント:

コメントを投稿